率先して発言する意味と意義

決算特別委員会がワンクッションつきましたので。

私が「消防上下水道」の分科会で発言させて頂いた内容を、ここにご報告させて頂きます。

少々長いのですが、最後まで読んで頂ければ幸いです♪

近年、世界規模で未曾有の災害が人々の暮らしを襲い、想定外までも、想定内となってしまう世の中にあり、記憶に新しい東日本大震災などをキッカケに、我が身は、自分で守り、また共に助け合い、共に地域を守って行く「自助、共助の大切さ」と言うモノが、改めて見直され、各層の人々にまで認識される様になりました。

また、日本の防災を見直す一つの大きな転換点となった阪神淡路大震災にしても、災害時、助かった人々の8割以上は消防隊などの救助が訪れる前に、自らで、もしくは隣近所、地域の人々で助け合い、命を取りとめた状況でもありました。

今時分、殊更、強調するまでもなく、これからの時代に求められるのは「都市の、地域の、自主的な防災機能の強化」であります。

そこで、平成23年度の「主要な施策の成果」この301ページにある「自主防災活動の推進、その他」271万7千円について伺いたいと存じますが、はじめに本市には、幾つの自主防災会が存在し、その組織率は、どれくらいなのでしょうか?

☆行政側より、「1943組織」「99.7%」の答弁

伺えば、本市は非常に高い組織率を誇っている事が分かり得る訳ですが、では、具体的に自主防災会の活動状況を教えて頂けますでしょうか?

☆行政側より、答弁

となれば、本市における消防署所、また消防団の数は約120にも上りますので、本市には常備、そして消防団などの非常備の組織も含め、相当数の防災拠点が存在して、常に「災害に備えている」と言っても過不足はないと思われます。

ならば、昨年度、本市では火災で、年間に何人の命が奪われたのか、過去5年間の推移と共に教えて頂けますでしょうか?

☆行政側より、回答

当然、災害を事前に「正確に予測すること」は難しく、しかし、これだけの数の防災拠点が存在しながら、近年に「年間で10人前後の方々が亡くなられている状況」は、改善へ向けて取り組まなければなりません。

今一度、冒頭にも触れました、未曾有の災害時などを想定してみれば、大規模災害に見舞われた時などは、同時多発的に発生する災害に対し、やはり防災関係機関の対応能力には限界があります。

また今後、この中国地方でも大地震が起こる可能性や、局所豪雨による水害、土砂災害に見舞われる可能性も充分にはらんでおり、今後も、1つでも多くの尊い命を救うべく、自主防災組織の更なる体制を整えて行く事が、最も必要になって来ると考えます。

その為にも、現在、約2000近く各地に存在する自主防災組織の拡充が必須ですが、しかし、自主防災組織の根幹をなす、各町内会や自治会などの加入率が、年々低下の傾向にあるのが現状です。

この現状を踏まえ、先程も触れた「自主防災組織の推進」に注がれた決算額、271万7千円について伺いたいと存じますが、どう言った経費として使用されたのか、目的別の内訳を教えて頂けますでしょうか?

☆行政側より、答弁

費やされた「広報業務」に関しましても、自分達の街は自分達で守るよう、周知徹底を図るべく大事な取り組みであり、限りある予算を有効にやりくりされている事は把握いたしました。

そこで、自主防災組織の“あり方”と同じ意味合いを持つ、平成23年度の「市民に対する応急手当の普及、並びに救命講習の実施」についての決算額など、過去10年間の予算と照らし合わせてみても、平成22年度から23年度は、約1.5倍の予算が費やされております。

しかし、「自主防災活動の推進、その他」の決算額は、近年を顧みても、ほぼ横ばいで推移しているのが現状で、こうした状況下、当局は「自主防災組織の拡充」にあたり、どの様な施策に取り組まれているのでしょうか?

☆行政側より、答弁

決算額には換算できないマンパワーまもで発揮されているので、そこを踏まえ、これより提言へと移らせて頂きますが、例えば、当局は、経験ある50歳代のベテラン職員が約4割近くを占める中、これから訪れる「退職による急激な職員の新陳代謝」を、事前に充分なる対応策を施しながらも、1つの懸念材料とされておりました。

けれども、裏を返せば「防災の最前線にいらっしゃった方々」が退職となりて、今後は緩和された時間的な制約の中、「人材」として、世の中に還元できる好循環も生まれて参ります。

その証拠に、私の手元には「自主防災活動のススメ」がありますが、この中には、「自主防災組織は、一人では力の及ばない災害時を、皆さんが力を合わせて助け合うことを目的としながら、バラバラに行なったのでは効果が半減するモノであり、構成員に指導を行なっては、自ら行動するリーダーが極めて重要である」と。

消防団はもとより、財政的に留まらず、組織的にも自主防災会の見直しを、今一度、平時である今こそ、今後に備え取り組むべきではないでしょうか?

重ねて、他都市に目をやれば、東京都など、エンジンカッターや電動のこぎり、油圧ジャッキに空気呼吸器、フォークリフトなど、必要な機材を自前で調達しては、この自主防災会がバージョンアップしたとも言える「区民レスキュー隊」が町内会規模で編成され、より対応能力の高い防災組織を確立すると共に、日頃の防災意識の向上にも多大なる貢献を果たしていて、3年間で、火災の発生件数がゼロを誇る地域なども生み出しております。

つまり、火災等の災害を、人々の意識により未然に防いでいる。

また、同じく都内のある地域では、中学生のレスキュー隊までも発足させては訓練を行い、自らが「地域の一員である」当事者意識を早くから教え、防災にも「一人の人間として貢献している」自覚を促すと共に、敢えて「責任を負わす」などの試みが行なわれており、首都圏と広島では、地震の頻度に住宅の密集度は相違しながらも、良い事例として、本市でも前向きに取り入れるよう、検討する価値はあるかと存じます。

そこへ、これからの時代は、表現は失礼ながら「まだまだ元気に活動できる高齢者」が急激に増えて来られるのが実状で、先程の事例ではありませんが、こうした方々の中にも、チェーンソーが使えたり、フォークリフトが運転できる方々も、沢山いらっしゃる事でしょう。

今後、そうした方々に積極的に呼び掛けては、今一度、自主防災会に参加して頂き、新たなる「生き甲斐」や「やり甲斐」を見出して頂ければ、地域の活性化へ向けた一助になるとも考えます。

重ねて、地域が当事者の所在を把握してくれる事に繋がれば、「何か有事の際は貴方を、貴方の家族を地域の方々が率先して助けますよ!」「お互い、一緒に地域を守りませんか?」とのアプローチをする事で、町内会や、ひいては老人クラブの加入率も、現状が改善されて行くのではないでしょうか?

補足までに、本市の老人クラブ「加入率」は、65歳以上の人々で数値を出した場合、わずか「19.2%」に留まるのです。

高齢者の孤独死を防ぎ、かつ「地域に貢献している」との生き甲斐を持って老後を過ごして頂く為にも、消防局に留まらず、本市をあげて率先して取り組んで頂きたいと、ここに切に、お願いする次第であります。

では最後に、自主防災活動の推進について、今後の方針、対応も含め、当局のお考えを頂戴しても宜しいでしょうか?

☆行政側より、答弁

前向きなご答弁を有り難うございます。今後も、自助、共助の更なる意識付けを高め、行動が伴い、かつ災害に強い街、災害に迅速に対応できる街を目指し、引き続き、皆さんで一緒に取り組んで参りたい所存であり、私の質問を以上とさせて頂きます。

投稿日 : 2012年10月23日

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