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先日、JR広島駅周辺の再開発事業の一環として。

駅を南北に結ぶ「自由通路」の工事開始に伴い、安全祈願祭が行なわれました。

この“自由通路”とは、改札を通過する事なく、在来線側と新幹線側の行き来を可能にするべく。

現存する2階・連絡通路の場所へ、長さ180m、幅15mの新たな通路が設けられる。

本格的な工事は、この7月から始められ、2017年度末に開通予定。

上記、自由通路の総事業費は約131億円で。

広島市が85%、残りの15%をJRが負担する事となっております。

いわゆる。

現存する2階レベルにある連絡通路が、より拡張されては店舗なども併設され。

大都市圏では普通に見られますけども…

便利で、おもてなしのスペースが広島の玄関口へ誕生すると。

私も、こうした快適空間の創出へ異を唱える者ではなくとも。

“ここ”に関し、先だっても先輩議員と色々と議論を重ねましたので、今後へ向け…

敢えて ding dong♪ding dong♪と警鐘を鳴らすとすれば。

話は数年前へと遡りますが、前記の自由通路。

当初の総事業・予定費は40億〜50億円と言われておりました。

そこから一定の時が流れ、確かに事業計画のスタート時と比べ、時代背景も変化し、多様なるアレンジも加わった。

ながら、そこを加味しても、最終的な総事業費が「約131億円」まで膨れ上がっております。

こうしたJR関連の事業、工事となれば?

列車の運行、並びに運行施設と必ず関連するがゆえ。

工事は「JR関連の事業者のみ」への発注となる。

端的に申せば「特定業者しか」受注できません。

ここからは、あくまで「仮定」の話を展開して参りますが、解かり易い表現を用いれば。

当初、自由通路が「1万円」で誕生する予定だとしましょう。

冒頭のニュースを例にとり、市の負担分は「8500円」で、JRの負担分が「1500円」。

しかし、公共交通機関に携わる専門性であったり信頼性も含め。

相手取って交渉する業者は「1社」なのですから、乱暴な物言いをすれば…

先方様の「言い値」の世界。

1万円で完成する通路を「1万5千円」に設定されれば?

行政サイドが「民間も15%は負担してくれます♪」と純粋に喜んだって。

実質、上乗せされているのですから先方の負担は「ゼロ」で…

“儲け”まで過剰に発生している状態。

補足までに。

「今回の件で広島市はJRに良い様にやられている」と申しているのではありません。

先述の様な案件は、多ジャンルにわたり、そこかしこに同様のケースが存在する訳で。

大なり小なり各都市で見られる恒常化した事例。

また、「今回は市がコレだけ負担する代わりに…」

「次の展開を目指す駅ビルのリニューアルは御社の負担で…」等々。

求められるは交渉術であり、断片的に「将来展望」の一部を切り取って正否を問うのは違う話。

しかしながら“市の負担分”とは、イコール「市民の皆様から納められた税金」です。

行政には「民間に勝るとも劣らない交渉術」であったり「経営感覚」が、より求められる時代へ…

既に突入している。

過去12年間でも、利権が渦巻いていた広島市。

悲しいかな、議論ばかりが行なわれ、実現への、改革へのスピードが遅いのも広島市。

主要なるポジションの人々、その誰もが“責任”を回避するからさ。

それはリスクヘッジでなく、諸問題を前にした敵前逃亡です。

ふう〜。

警鐘は未だ、鳴り続けています。

投稿日 : 2012年5月31日

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