Can you feel it?

新聞の一面を賑わす様々な時事ニュース。

取り上げたい事は山ほどあれど、前回の「仙台・東京視察リポート」同様、しばし韓国視察にお付き合い下さい。

そこで改めて、昨今の韓流ブーム等々、より身近に感じられるようになった「韓国」。

この隣国、1998年あたりは大手企業の相次ぐ経営破綻などにより深刻な不況、通貨危機に見舞われていました。

そんな中、当時の大統領が“強烈なリーダーシップ”を発揮。

痛みを伴う抜本的な改革、国策に乗り出して、数年後には経済成長率が「プラス」に転じる事に。

何が?って、ここ最近の広島市においても最も求められるであろう…

「思い切った政策」に踏み出したのです。

その国家プロジェクト(国土総合計画)を日本に置き換えて言うなれば?

「北海道は美味い農作物を徹底して作れ!」

「神戸は港を強化してアジアのハブ(中枢)港を目指せ!」

「東京は世界ナンバー1のメトロポリス化(主要都市)を確立!」

「福岡をアジアと結び外国人・観光客の獲得!」

と、都市のストロング・ポイントを活かした具体的な政策の数々を掲げ、かつ方向性も明確でした。

また、国が瀕死の状態だったので、結果的にIMF(国際通貨基金)の支援を受けながら“打って出た”わけですけども。

その際、「何を用いた?」かと申せば、徹底した「成果主義」。

つまり、各自治体から広く事業案を募集し、そこを産官学からなる“シンクタンク”とも言える委員会が精査。

時代が求める事業案へ徹底して予算を注ぐ(投資・支援)のみならず。

その後の動向を厳しく観測しては、成果が出ないと見るや、直ぐさま予算をカット。

逆に、成果が上がると見るや、そこへ重点的な出資が行なわれました。

ゆえ、国内各所に個性の豊かな(都市の持つ特徴の活かされた)幾つモノ都市が形成、確立され。

確かに、近年の世界不況の煽りを受け、“現在”の韓国は日本同様、決して右肩上がりではありませんが。

どん底から「国が再生を果たし」今日を迎えているわけであります。

また、この“成果主義”に付随した好例の話をすれば、今回の視察で我々が訪れた…

大邱(テグ)市は、テグ・デザインセンター(世界陸上の金メダルもデザイン♪)の中に設けられた、いわゆる専門学校。

「コリア・デザイン・メンバーシップ」です。

と、その前に、まずは韓国を代表する世界の大企業「サムスン電子」に目を移すとします。

薄型テレビや携帯電話、半導体でもお馴染みで、世界に18万人もの従業員を持つ、サムスン電子。

同企業の躍進は、品質に価格、戦略もあれど、特筆されるは、やはりプロダクト「デザイン」。

これだけ高品質、低価格の時代にあり、商品を選ぶ基準として「デザインへ走る」消費者・心理は言うまでもなく。

約900人の「商品デザイナー」を抱え、良質のデザインから他社との差別化を図り、業界を一歩リードしたのが同社。

そこで、サムスン電子は1993年からデザインに関する人材育成に乗り出します。

それは「自社の為」に留まらず、韓国のデザイン業界を底上げしては国際的な競争力を付ける為に♪

国内より学生を集め、徹底的にデザインの英才教育を行なう。

こう言った民間の発想、取り組みを活かし、国の(日本で言えば経済産業省)の予算で「一流のデザイナーを育てよう」との機関が。

2008年に生まれた、前記の「コリア・デザイン・メンバーシップ」。

約1万人の大学生から、厳しい試験を経て「15人」を選抜。

選ばれた学生は、カリキュラムにおいて、例えば「自国(韓国)から必ず年に2回は海外へ勉強に行きなさい」

「在学中に複数回は海外のデザイン・コンペに作品を出品しなさい」等々。

3年間の授業料、海外への渡航費は全て無料にて、各製品やファッション、街のインフラに至るまで。

デザイン業界の「best of best」を輩出するべく、国家規模で人材の育成に取り組んでいる。

そんな学生達は、在学中に各々で新聞や本を作成しては発行したりと、何より研鑽へのモチベーションが高い!

写真の様に、可愛いデスクで学び、台所にシャワー、レスト・ルーム(休憩場)や会議室も完備する“学び舎”にて。

「世界」を視野に入れ「世界」を目標に置き、日々勉強されていました。

それは、巡り巡って自国の為に。

冒頭から振り返るに、総じて言えば韓国には鮮明なる、かつ国民が共有できる「ビジョン」が存在します。

この広島市も、昨年までの様に帳尻合わせで“プライマリーバランス”ばかり気にしては。

「見て見て♪節約しては通帳に、こんなにもお金が貯まったよ!」何て言ってる場合ではありません。

緊縮財政は、「打って出る」為の助走にしかあらず。

動きが止まり、水が淀めば何も変わらず腐るだけです。

適材適所に人材を、予算を巡らしては循環させ。

街に活気を生み出して参りましょう!

異国での3泊4日間は、お蔭様で沢山の事を学び、吸収させて頂きました♪

投稿日 : 2011年8月30日

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