そのご夫婦は、かれこれ15年くらいになるでしょうか。
如何なる時も常に私を応援してくださっており。
私が初めて市議選に立候補した時など、遠くのお住まいから…
「とにかく安佐南区に向かえば、石橋が自転車で走っているだろう」
「面と向かって激励の言葉を届けたい」と。
アポもなく、ご夫婦で同区内の主要道路を巡り…
偶然にも点と点。
大きな交差点にて停車していた私と「ああ!」っと遭遇。
そんな当時より、今日まで。
ご夫婦とは定期的にメールにて連絡を取り合い…
近況を報告し合う間柄が続いているのですが。
つい先頃、ご親族に…。
昨日がお通夜で、本日がご葬儀。
喪主を務められたとのこと。
そんな最中にあっても…
いつも「私のブログ」を楽しみにしている旨を伝えてくださいます。
誠に、誠に恐縮の極みであり。
かつ、誠に有り難く。
ついては、ご葬儀を終えられたばかりのご夫婦も目を通してくださる…
今回のブログで果たして、何を綴ればよいものか。
闇雲に元気付けるのも。
また、全く何の関連性もない話題を取り上げるのも…
と、思案した挙句。
以前より触れている通り。
私は、「春秋」「天声人語」「余録」「産経妙」等々。
各新聞の朝刊コラムの中で、心にヒットした回を切り抜き…
集めるのが日課であり、趣味でもあって。
その何十枚ものストックの中から。
どの一枚が今回は「最適」なのか?
正直、分かりかねるところではありますけども。
選んだのは…
2023年2月25日の「編集手帳」(読売新聞コラム)。
『変身』などの名作を残した作家フランツ・カフカは、人生に臆病な人だったらしい。
結婚したいと思っていた女性に、何とも変わった恋文を書いている
◆〈将来に向かって歩くことは、ぼくにはできません。将来に向かってつまずくこと、これはできます。いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです〉
ふつうなら、倒れても立ち上がると書くところだろう
◆この手紙にペンを走らせたのは1913年2月28日、カレンダーが翌日から春に変わる夜のことだという。
昔から春は「木の芽時」と呼ばれ、心身の安定を崩しやすい季節として知られる
◆毎年の死因統計にそれが如実に表れている。
こう書くと、カフカは自ら命を絶ったと誤解されそうだが、彼はいくら人生に臆病でもそれだけはしなかった。
そんな作家を、先の手紙の訳者である文学研究者の頭木弘樹さんは「絶望名人」と呼んでいる。
悲しみやつらいことで壊れそうになったとき、心の持ち方を行間にさがしてほしいと言う
◆頭木さんは難病で寝たきりになった経験がある。
その頃、すぐに立ち上がらなくていいと読んで救われたそうだ。
投稿日 : 2024年5月05日
『代筆』