インフォメーション

石橋りゅうじ 議会棟控室

Tel.(082)504-2442

スマホ版サイトは以下のQRコードから。

1年前の話と1年後の話

本日は、文教・消防・建設・経環・厚生・総務の各常任委員会が開催され。

私は“総務委員”なので勿論、体は一つであり総務委員会に出席したのですが。

他方、別時刻に開催された建設委員会にて議題に上がったのは?

「広島市LINE公式アカウントを利用した道路・公園損傷システムの導入」について。

改めまして、本日は2021年の4月21日ですが、約1年前に遡り。

2020年3月11日の予算特別委員会「建設」(委員会)関係に於いて発言した…

当時の模様(私と担当課の質疑応答)を振り返ってみたいと存じます。

(長文になりますが、道路管理の現況は把握し得るかと思われ、お付き合いの程を)


◎石橋委員:(モニターに映像資料を表示した後)今回は「道路・橋梁整備について」事業費が上がっておりますけども、その中でも道路に絞ってこれより質問、提言をさせて頂きます。

でははじめに「安心・安全なまちづくり・インフラ整備に向けて」との観点から今回は、過去の各定例会でも議案、専決処分の報告として、今日まで幾度も上程されて来た「道路の管理瑕疵等による損害賠償額の決定」について伺います。

こちらは説明するまでもなく「国家賠償法」の話となりますが、改めて道路、河川、また橋梁もそうですが、公の営造物に関する設置、または管理に瑕疵があり、それによって他人(市民)に損害を生じさせた時は、国や公共団体がこれを賠償する責任を負うものです。

続けますと、この手のもので、軽易なケースは地方自治法により専決処分となりますけども、その場合は都度、首長から私ども議会は「何が起こったのか」の報告を受けております。

報告は受けているんですが、その詳細までは把握し難いので、改めてここに伺うとして、まず道路の管理瑕疵における過去5年間の年平均の人損、物損別の発生件数、並びに原因の内訳、現在の道路管理状況(現状の破損箇所等の確認が行われているか)について教えて下さい。

〇道路管理課長:まず、過去5年間の年平均の人損、物損の内訳、そしてその原因の内訳について申し上げますと、道路管理瑕疵に係る事故報告件数は、平成26年度から平成30年度までの5年間における1年間当たりの平均件数は57件です。

その事故の内訳については、死亡事故はなく、人損と物損が生じた事故が4件、人損のみの事故が約4件、物損のみの事故が約49件となっています。

主な事故の原因については、道路上の穴ぼこによるものが約29件と最も多く、以下、道路上への落下物や街路樹の枝の突き出しなどといった道路上の障害物によるものが約6件、側溝のグレーチング蓋の変形などによるものが約5件などとなっています。

なお、こうした事故原因となった穴ぼこやグレーチング蓋、道路上の障害物については事故後、速やかに補修・修繕、撤去等を行っております。

次に、現在の道路管理、破損箇所等の確認の方法について説明いたしますと、本市では道路を常時良好な状態に維持管理し、その安全性を確保するため、業者に委託して車両による定期的なパトロールを行っています。

また、各区維持管理課にフリーダイヤルの道の相談室を設けるなど、市民からの電話等の通報により、道路の損傷箇所を把握しています。

更に、日本郵便株式会社や相互個人タクシー協同組合、及び広島都市個人タクシー協同組合と道路の異常に関する情報提供をして頂く協定を締結するなど、他の事業者との連携による道路の異常の把握にも努めております。

◎石橋:今の答弁を伺いますと、あくまでも担当課として把握し得る「報告レベル」ですけども、管理が行き届かぬ瑕疵により発生した事故件数は、年平均で60件ぐらいであり、状況としては「道路の穴が空いていた場合」等が、かなり多いということでした。

また管理状況においても本市は現在、さいたま市などと同様、日本郵便株式会社と協定を締結して、郵便配達員の方々と協力しながら「道路上の破損個所のチェック」を行っており、そこで伺いますが、本市の場合は現在、行われている道路の管理、チェック体制について「従事する人員やシステムの過不足」を、如何に捉えていらっしゃいますか。

〇道路管理課長:道路パトロールにつきましては、全市域を4台の車両でパトロールしており、年間約3,200件の道路の損傷箇所について補修等の対応を行っています。

また、各区の維持管理課や道の相談室には市民等から年間約8,700件の通報がありますが、道路パトロールは車道を中心に行われており、歩道等の把握は困難な状況にあるため、市民からの通報は大変重要な情報源となっています。

このことから、日常的に道路を利用している市民の方からの通報を増やすことには、道路を管理していく上で大きな意味があると考えております。

◎石橋:頂戴した答弁によると、パトロールに関しては年間3,200件、そして市民の皆様からの通報ではおよそ8,700件ということで、そこへ我々議員も、平素からこうした危険箇所の通報を受けますので、それこそ年間1万2000件ぐらいは公道の破損が発生しているんではないかということですね。

そこで、これより他都市の道路管理、またパトロールに関しての事例を御紹介したいのですが、他都市ではアプリを使用して市民から報告、通報を受けるシステムを確立しており(モニターに資料を映しながら)これは相模原市のケースですけども、まずはアプリをダウンロードして、道路の破損箇所などを撮影。

その時点でマッピングできるので、メールを送信した時点で位置情報までが反映され、どの場所が、どうなっているのか、受信する側、担当課は破損個所の状態をすぐに把握し得ると。

また、不具合などの内容、その詳細も送信者(一般市民の方々)が補足をして下さいますので、今でしたら、例えば電話で担当課が報告を受ける場合、連絡を受けては都度、それこそゼンリンの地図を開いて先方様に「どこですか?」「どうなっていますか?」と、なにかと時間が掛かったりするかと思われますが、こういった作業工程の簡素化が非常に図れることになります。

他にも色々な他都市の事例がありまして、例えば浜松市の場合は「いっちゃお!」(システム名)を使い、修繕を要する道路の舗装ですとか側溝、カーブミラー、それから照明もありますし、自然災害が多発する折、落石ですとか土砂崩れ、またはガードレール、河川の冠水など、こういったものも専用アプリを通じて「迅速に教え下さい」との報告体制を整ています。

他にも、こちらは大阪になりますけども、泉佐野市の場合は「教えてほしい」と投げ掛け、犬のふんですとか、またネガティブな面に留まらず、素敵な街角の風景など様々な情報、一コマを寄せて頂いては「あなたの報告でまちがよくなる」、こうした、まちをみんなで創って行く、そして安全を保って行く仕掛けがなされています。

今回の私の質問、そして提言の趣意なんですけども、「まちづくりへ市民の参画意識」の向上、「我々がまちを守る」との能動的な行動、また、従事する職員さんの作業、その効率化を図って行きたく、何よりも現在、高度経済成長期に整備された社会資本が次々と更新期を迎えており、管理が行き届かず、結果、幾つかの瑕疵が生じ、そこから派生する一つの事故やケガが、市民の一生に関わることもあります。

そこで、絶対はありませんけども、発生するかもしれない事故の可能性を、一人でも多くの視線、視点を活用して、行政のみならず、皆様で協力し合って、迅速に課題箇所の改善、未然防止に努めたいとの思いで今回、この案件を取り上げさせて頂いた次第で、ここに伺います。

他都市でも既に導入、活用されているアプリ等を使用して、市民からの通報、報告システムを本市でもぜひ導入して頂きたいと願うのですが、本市のご見解をお聞かせ下さい。

〇道路管理課長:石橋委員が御提案のアプリ等を活用した市民からの通報システムの導入については、道路の損傷箇所の位置等が簡単に把握できるなど有効な手段と認識しており、先駆的に導入した八つの地方自治体に導入後の状況等を確認しているところです。

各自治体に共通して言えるのは、通報システムによる通報件数は年間通報件数の内、約1割程度で、通報の多くが依然として電話で行われており、なかなか新しいシステムが浸透しないといった課題があると聞いています。

本市におきましても、他都市における課題を踏まえ、通報システムを利用した市民からの通報を増やす効果的な方法を確立した上で、導入に向けて検討していきたいと考えています。

◎石橋:他都市でのアプリを通じての通報状況は大体1割ぐらいであると。これで「もう1割程度だから導入しないで良いではないか」となれば、ちょっと失礼な物言いですけども、これもう昭和の発想なんですね。

今後、行政組織にしても、人口減少に伴い「縮小化」するかも知れません。そこで、例えば先ほどは補修に関して「1万2000件」との数字が出て参りましたけども、現在、他都市のアプリによる「1割の通報」ケースを本市に当てはめてみれば、それだけで「1,200件の補修、また事務作業が迅速に賄われる可能性」もあります。

そこへ、では次に「如何に1割を2割、3割に増やして、利用率を伸ばして行き、更なる作業効率を図るのか」と、現行の課題解決に留まらず、未来へ向けた、少ない担当者で如何に激増するかも知れぬ補修箇所に対応して行くのかが問われている。

他方、4月になりますけども、このたび避難誘導の広島市のアプリが始まりますよね。名前が「避難所へGo!」でしたか。

自然災害が多い昨今、アプリも使い、できるだけ迅速に市民の皆様の避難も促していこうということで、そういうアプリのハウツーは広島市にあるわけですから、こうした実績を活かして、本市の打ち出す様々なアプリ、その個々の利便性を上げて行けば、相乗効果で、どんどんとプラス効果が派生しますし、市民の皆様の安全を守って行くことにも繋がって参りますので、ただ今「検討する」との答弁を頂きましたけども、ぜひとも宜しくお願い致します。


以上となります。約1年前の委員会の模様。

その後、担当課も着実に検討、実施へ動いて下さいまして。

今年の3月1日に「広島市のLINE」がスタートして、同システムが導入されました。

【道路・公園損傷通報の操作手順】

しかし、LINE社の個人情報保護に係る一連の報道を受け。

国が現在、事実関係を調査しているところであり、運用の懸念が除かれるまで。

本市も「道路・公園損傷通報システム」の運用を3月24日から一時停止している。

この報告が本日、建設委員会でなされたと。

※繰り返しますが、現在は同サービスが「一時停止中」です。
 (運用再開時期は、国の調査結果を踏まえ判断される予定)

以前、私が道路上の僅かな隙間に自転車の前タイヤを見事に落として…

左手の小指を亀裂骨折した事がありましたが、手前味噌で誠に恐縮ながら。

(豪雨災害後に大きな被害のあった被災地の排水溝がゆがんでいた故の稀な事故)

ある程度の運動神経を持ち合わせた私だから、あの程度。

年配者であれば、大事故になっていた可能性も。

繰り返しとなりますが近い将来、遠い未来。どなたに降りかかるかも分からぬ。

ただの1回であれ、事故を、ケガを、兎にも角にも「未然に防ぎたい」。

その為にも、通報システムのチャンネルにせよ、1つでも増やしておく。

また、必ずや将来、行政組織の再編が迫られる際も。

全てデータベースに記録が残り、少ない人数で…。と、多くは申しますまい。

肝要なるは、時間の縦軸、波及の横軸であって、多寡だの効果だのと…

刹那に「今だけ」を問うているのでは、ないのです。

遅ればせながら、担当課には心より感謝、お礼を申し上げます。

m(_ _)m

投稿日 : 2021年4月21日
1年前の話と1年後の話

月別表示

最近の記事