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尊い教訓を、今に

命を守るための“安全”確保。

大雨による被害が拡大しながらも、各所にて「早めの避難で助かった」。

こうしたニュースが連日、報じられています。

そんな中、先だって国交省が「画像」(写真)を公開しておりましたので。

何の?

「砂防堰堤が多くの土砂や流木を受け止めて満杯になっている」模様を。

そこで。

私も上記を補完する意味も込めて再度、市民の方々へ「注意喚起」すべく。

今回、取り上げたるは「砂防ダム」や「砂防堰堤(えんてい)」について。

まずもって、砂防のダムと堰堤の違いって? から簡単に始めて行きますと。

河川法により、基礎の地面から高さ15m以上を砂防の「ダム」。

それ以下が、砂防の「堰堤」と定義されており。

設置“目的”は言わずもがな。端的に説明しますと…

山々へ多量の雨が降り注ぎ、土石流が発生した際に「受け止めて」。

下流に位置しては暮らす人々の命、街や環境を守るため。

他方、治める山と書いて「治山」(ちさん)事業の一環で。

山中、森林内の傾斜を緩やかにし、渓流(雨水等)の流れを減速させ。

重ねて、流れの「床面」の侵食、土砂の流出を防止しては…

山を守り、緑を保つために設置されるダムを「治山ダム」と言うと。

更に付言すれば「治山」の場合?

流れて来た土砂等を“敢えて”ダムの中(背面・裏側)へ堆積、満杯にさせては。

(ならば丁度「階段」を横から見た断面図の様になるかと)

つまりは満砂が決して「悪い」「危険」にあらず、ここを想定した上で。

※満砂(まんしゃ):ダムが土砂等で満ちている状態

「縦」方向の急流を緩和、土砂の流出を抑制する、にとどまらず。

満砂を基礎に「横」方向への強度を高め、山肌の崩壊等を防ぐ。

こうした“意図”も含まれています。

さて。

落語で申すところの「まくら」(引き付ける導入部分)が長くなってしまいましたが。

この数日間、私は幾人もの地域住民の方々から…

「砂防堰堤が満杯になっているみたいですが大丈夫ですか?」

との声を頂戴いたしました。

顧みれば、7年前の「8.20豪雨災害」後より。

各所に設置された砂防のダム、堰堤を“建設時”から今日まで。

私ほど定点観測して来た人間は「他にいらっしゃらない」と…

断言できる程に、私はあらゆるダム・堰堤へ雨中・雨後に足を運び。

その「状態」をチェックして来た経緯があります。

(コレは何かに努めた「自慢」ではなく、単に本分を務めた「自負」です)

故に、例えば安佐南区内のダム・堰堤の状態は過去より知り尽くし…

と、言いたいところなのですが。

7年前の災害後から、緊急事業としてダム等の建設が開始され。

その間に、また3年前の西日本豪雨を受けても、砂防ダムへ足を運べば?

土砂等の堆積は「ゼロ」もしくは「10cm程度」がほとんど、が実際でした。

しかし、今回の豪雨では。

各所に「満杯」のダム(堰堤)が散見され始めています。

コレは、明白な変化で。

私にせよ、ダムや堰堤“全て”の最新情報(状態)が更新できていない状況。

(昨今も多くのダム・堰堤を確認していますが、数十カ箇所全部とまでは行かず)

つきましては、自助に共助、声掛け避難も視野に、話を続けます。

(砂防ダム、砂防堰堤と使い分けると混同するので、下記から「ダム」に統一)

安佐南区内のダム、その最新映像(写真)をご覧頂きながら説明しますと。

先ずは、不透過型(コンクリートのクローズ型)砂防ダムの場合。

上段と下段にある「水通し」(の穴)の内、下段からのみ水流が見られる。

イコール、裏側に回ってみますと「そこ」までしか、土砂等が堆積していない。

こうした状況が把握し得るかと。

(遠くからダムの状態を見る、確認する一つの目安として)

しかしながら、前述した「満砂」になって参りますと、水通しは塞がれ必然的に…

最上部から(のみ)水が流れ出て来る状態に。

ならば当然ながら「裏側」は、すり切り一杯の満杯状態となっています。

(3枚目の写真は最後方にサイコロの「五」めいた穴があり、その下段から水流が。つまり許容にも十分なる有余が)

改めて「最上部から、水が…」こうなりますと、住民の方々も。

「アレ?!」「上から水や流木も顔を覗かせているが大丈夫なのか?」

と、心配、不安を抱かれるのも無理はございません。

そして、ここからがキーポイントです!

先に「治山ダム」の文脈でも触れました通り。

それは「砂防ダム」であっても“満砂”となる状態は事前に想定され。

“そこ”からもなお、発揮される効果まで計算されています。

つまりは「ゼロ・コロナ」ではありませんが、目指すは?

「土砂を全て受け止め、一握さえ、ダムから外へ漏らさない」にあらず。

ダムへの堆積が進んだ後の副次的として、縦に横への効果も見込んでいると。

ただし!

そこは「ケース・バイ・ケース」で、ダムへ堆積した土砂をイチ早く浚渫して…

※浚渫(しゅんせつ):重機等を使用して溜まった土砂や岩を取り除く

その後、土石流が発生したが、「空のダム」が見事に全て堰き止めてくれ。

下流に位置する住民が救われた。この様な事例は、過去にも数多。

いずれにせよ「流出土砂量の計算」によって、ダムは建設されますけども。

近年、自然は当たり前の如く、人智(計算予想)の及ばぬ猛威を振るっています。

用心、用心、また用心に越した事はございません。

では続いて、本市の透過型(鋼製スリット型)砂防ダムを見てみますと。

コチラは、主に巨岩や流木を食い止めてくれる役割ですが、市内各所では?

直近の状態で、全く何も変化が見られないダムもあれば。

なみなみと多量の土砂をはじめ、様々な流出物が…。

こうした場所も見られています。

(スリット型は、次へ備えイチ早く、溜まった物を取り除かなければなりません)

※ダムが市内にあっても管理は国や県など様々

そう。繰り返しとなりますけども、気候の変化によって。

砂防ダムの状況も、数年前と比較して、明らかなる変化を見せている事実。

思い起こせば、3年前の西日本豪雨の際。

場所は安芸区矢野東の梅河(うめごう)団地に於いて。

かねてより必要性を訴えては、その念願が叶い誕生した、地域の砂防ダム。

しかし、ダムの完成により地域に「安心感」が生じてしまい。

結果的に避難が遅れ(と地元民の方々は述懐される)犠牲者が出ました。

今一度、冒頭へ戻ります。

命を守るための“安全”確保。

大雨による被害が拡大しながらも、各所にて「早めの避難で助かった」。

繰り返しとなれ、雨量や時間帯など、ケース・バイ・ケースですが。

たとえ砂防ダム、砂防堰堤が近所に築かれていようとも。

投稿日 : 2021年8月17日
尊い教訓を、今に

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