唐突ですが、ちょっと「広告」について語りたく。
まずもって、2021年には?
マスコミ四媒体(TV・ラジオ・新聞・雑誌)の広告費を…
「インターネット広告」が上回りました。
しかし、急成長を遂げてきたSNSを含めたネット広告も。
徐々に、その右肩上がりの成長カーブが鈍化を見せはじめ。
「頭打ち」とまでは言わずとも、決してネット広告が「世を席巻」。
そうした時代でもない、ある意味で現在は「端境期」を迎えたる広告業界。
ちなみに。
私が「喋り手」を生業としていた頃は、年間で?
TV・ラジオを含め、約300本くらいのナレーションを読んでいました。
また、読むだけでなく。時にはCM制作にも携わるなど。
とどのつまり、私は「広告」に関連する業務が心底、好きであり。
しかし。
クライアントさんがウン百万、ウン千万円と制作費を注ぐが広告でもあって。
かれこれ20年以上は日々、懸命に「広告」を学んでいたもの。
加えて、こうしたクリエイティブな世界は、一言で片付けられます。
率直に「センス」なんです。作り手の「センス」。ここに尽きる。
でもでも。如何なる大御所(作り手)も。
事のはじめは「模倣」(もほう)から。「基本」から。のように。
ある程度、真似ることを徹底すると?
センスって、そこそこ磨かれては、身につくのも事実で摂理。
(誰もが「唯一無二の天才」を目指し、成れるわけではありませんけども)
ついては。
月刊「広告批評」ってご存知でしょうか?
10年前に惜しまれながらも亡くなられた、コラムニスト「天野祐吉」氏が。
主にTVやラジオのCM、広告を批評する月刊誌で。(既に廃刊)
私は毎月、嬉々として購入しては熟読。
それだけで…
時代の「広告の最先端」に触れられた気がして、ご満悦でした。
懐かしいな。
しかも、広告といえば、やはり「海外」作品。
如何なる優れた作品が?となれば、枚挙に暇などなく。
私なんぞも、あの「広告の巨人」と呼ばれた…
デイヴィッド・オグルヴィ氏の書籍等も、読み漁ったモノです。
(近代広告の手法、その礎を築いたレジェンド)
(故に我が家の書棚には広告関連の書籍や写真集が数多く並びます)
そこで。
こうした偉人は「広告」についても、数々の名言を残されているのですが。
その中の一つに…
「常に相手が正しいと思え」
が、ありました。
言わずもがな、広告とは?
その仕掛けにより、売上が左右する。の、評価基準とは別に。
客観的な評価たるや、受け取り手の「感受性」に依拠する部分も多く。
かつ、フィギュアスケートの採点の如く「数値化」出来るわけでなし。
つまりは「正解」がない。
ですから。
作り手が思い上がり増長するでなし、心に据え置くは…
「常に相手が正しいと思え」と。ハイ。
冒頭から、此処までの文面たるや。
長い、それは長い前フリでした。
さて。
間もなく開会を迎える、広島市議会の2月議会。
その(毎回デザインの変わる)「開会告知ポスター」をご覧いただきましょう。
どうぞ。
如何でしょうか?
私、国内外で数々の広告に触れ合ってまいりましたけども。
隠してもしょうがないので、正直に申し上げますが。
ここまで「センスを疑った(議会の)広告」って、久々。
近年でも、ちょっと記憶にありません。
その、画角から溢れ出る(作り手の)抑制の効かぬ青臭い自我たるや。
「田舎議会、極まれり」。もう全開です。
失ったなぁ。言葉を。
あのバブル全盛期。
「コピーライター」との職に眩いばかりのスポットが当てられ。
一方では、ホイチョイ・プロダクションが…
「私をスキーに連れてって」などの映画を次々にヒットさせた…
あの甘酸っぱい昭和臭が、あの頃は、あの頃で時代を掴み良かったところ。
当時が発酵しては、異臭を放って21世紀に戻ってきた…
そんな感覚です。
私も。この度の制作経緯を詳しくは知らず。
誠に申し訳なくも、制作メンバーは誰なのか?
これはイケナイのですが実際、そこも詳しくは存じておりません。
(知っていたら、その方々に申し訳なく、率直な感想が綴れないので)
重ねて、相応の熱量を注ぎ、応分の経過を辿っての制作。
その尽力には、関係者に対して敬意を表します。
しかし。
「議会(本会議・定例会)の開会」告知です。
気をてらう必要などない。
(真面目にしろと言っているのではない)
イタイよな。辛いほどにイタイ。このセンス。
どうした?
かねてより、私が危惧している通り。
「広島市議会のサークル活動化」が加速して止まらない今日この頃。
繰り返しましょう。
「常に相手を正しいと思え」。
曲がりなりにも、印刷されては公に出回っているのです。この開会告知。
合議を経たの?なぜ最終的なGoサインを出してしまったの?
私も「全否定」までは…
でも、したいな。全否定。
やれやれ。
自己弁護のようですが、議会の広報活動を「諦めている」のであれば。
私の正直な心情を、敢えて此処で吐露する必要はありません。
(それこそ不快感だけ残して誰も得をしない)
でもさ。
突き詰めようよ。
もっと勉強しようよ。
まだまだ出来るはずでしょ?
と。嘘も偽りもなく。
謹んで、叱咤激励しているのです。広報班へ向けて。
これで。
「なんだと?石橋よぉ?!この珠玉の作品を!」と感じるようであれば。
そこまで、でしょう。
世界は広く。
また。
人が有するクリエイティビティなど。
“こんなもの”ではないのですから。
投稿日 : 2024年2月08日
『言われるうちが華(自戒を込めて)』