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石橋りゅうじ 議会棟控室

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全編の前編と後編の今回は後編です

※前回ブログの続編ゆえ、前号を未読の場合、まずはソチラから目を通していただければ。

m(_ _)m


前回では、私が22日の総括質問で喋った、2部構成の質問。

その「前半30分の読み原稿」を掲載しました。

そして、この度は、前回からの続きとなる「再質問10分の読み原稿」。

コチラを掲載したいのですが、ここに、ちょいと余談を披瀝いたしますと。

“日本語”たるや、世界に存在する言語の中でも、かなり複雑な部類にあり。

たとえば。

「ください」一つとっても、「やってくださいよ〜」のPleaseの意味もあれば。

「これくださいよ〜」のGive meの意味もあって。

前者は「ください」で、後者は「下さい」と表記。

「いただく」なども同様で、「いただく」と「頂く」を使い分ける訳ですが。

わたくしはほうれんそうのしゅうかくにむかわせていただきます。

なんて一文を“読み原稿”にする場合、ライブの一発本番では読みづらいので。

「私はホウレン草の収穫に向かわせて頂きます」との表記にすると。

敢えて「カタカナ」を挟み「いただきます」の場合も「頂きます」と表記したり。

字面にメリハリをつけて「読み易く」なるようアレンジをしています。

他にも。

「た」行の文字は、いわゆる「エッジが利いて」耳に届きやすく。

「確認する」より「チェックする」と喋った方が、耳に刺さりやすいゆえ…

あくまでケースバイケースですが、極力、後者を採用したり。

更に、今回であれば「図書館」問題を取り上げているのですが。

「本」について喋る際も、まずは喋る合間の「本」って聞き取り難いですし。

基本、図書館問題なので、原稿では「図書」を用いているのですが。

前後の文脈や、「ここは押さえておかなければ!」との場面では、敢えて…

「書籍」との表現を採用しています。

それだけ、表現のみならず「聞き易さ」まで徹底しては…

原稿を作成していたりも。(そこまでする必要はないのですが、性格です)

何より、一般(総括)質問は、真面目なエンターテイメントですから。

音楽アルバムの曲順やライブの“セトリ”と一緒で。

(セットリスト:演奏曲の順番一覧)

「聞き手を絶対に退屈させない」構成は必須と考え。

さてと。

「舞台裏」を語ってしまうほどに格好悪いので。

コレより、私が再質問で喋った「10分の読み原稿」を。

正確には、10分フルに喋ると、後にアドリブが挟めないので。

おおよそ「8分用の読み原稿」をアップします。

お時間があれば、読み進めて頂ければ… 否。

読み進めていただければ、幸甚です。



通常であれば、私は、この再質問の場で、事前準備を行わず、その場で思いついた事を喋るのですが、今回、私は総括質問を「2部構成」にしており、先ほどまで喋った内容は、あくまでイントロダクションです。

只今より、最たる懸念事項に迫るに当たって、この限られた時間を最大限、有効活用すべく、敢えて原稿を作成し、これより読み進めては、ルールに準じた再質問を行ってまいります。

ここからは、「個人的な見解である」事を、まず冒頭に申し加え、そもそも何故、この中央図書館等の再整備に際し、「ここまで混迷を極めるのか?」

それは、行政側が設定した「着地点」へ、意図的にハード・ランディングを試みるからです。

では、ただいま「意図的」との言葉を用いた根拠を、ご説明させていただく次第ですが、通常、行政が様々な「検討資料」を議会へ提出する場合、事前に、「図面が描け、測量、数字も出せる」民間企業へ一度、外注をしては、その成果物が上がってくるのですが、例えば「中央図書館の駅前移転」の場合でも、この段階で既に、ある程度は「最終形」に近い、配置や整備費が把握し得ます。

なぜなら、トンネル工事などと違い、地上構造物の場合は、「全ての計算材料がテーブルの上に並べられる」からであり、この度にせよ、図書数、盛り込む内容、そして、商業ビルを設計した業者が、いわゆる、「ビルを知り尽くした人物」が仮図面を作成するのですから、基本的に「未決定」要素はあっても「不確定」要素はなく、繰り返しますが、「実施設計まで何も分からない」など、こうした事態は在り得ません。

しかも、通常は、基本計画の前後、こうした「概略設計」の時点で、専門家や議会に説明がなされ、しっかりと検討に時間が費やされます。

そして、基本「計画」、基本「設計」に一年ほど費やし、年度替わりを迎えては都度、予算案の可決がなされ、いよいよ精緻なフォルムや建設費の出てくる、実施設計に移る。

しかし、今回は出発点の「概略設計」で、数々の図面や数字が、議会には黒塗りで示されず、「全ては基本設計や実施設計の予算を認めないと分からない」とされる、その振る舞いには、まず、この時点で著しい恣意性が窺えます。

加えて、例えば、現地建て替え案との「比較検討資料」にせよ、あの中央図書館の場所は「太田川の洪水想定地域」であり、非常に重要なキーワードを申しますと、「地下水位」の高い場所にも拘らず、先にも述べました、最も重量の掛かる「閉架書庫」、その全体の約50%は、地下への設置が想定されています。

何も本市に限りませんが、特に「デルタの街」の場合、地下の工事に、多大な時間とお金が掛かるのは周知の通りで、地下の掘削の際は、仮設の擁壁を築き。止まらない湧き水の止水に、外壁面の防水。浸入水も懸命に防ぎ、地下の湿気など、上層階とは次元が違いますので二重壁を設け。法令を守るべく、消防設備に非難設備。そこへ、重量が嵩むので、深く深く、杭を打ち込みます。(この杭すら、ぬかるんだ地下では不安定となり、安定させるのに更なる工事が必要です)

折角なので、より分かり易く説明しますと、広島湾の満潮時、その海水は河川を伝い、丁度、あの白島の北側、“広島ホームテレビの上流”あたりまで、上ってまいりますが、その都度、地面には「フロート」、つまりは、地下水が地面を持ち上げる揚力が働いており、一例では、あの地下街シャレオにしても「大規模な止水壁」を設け、下から突き上げる力に対して、アンカーで押さえ込んでいます。

コレだけ自然災害が頻発化、激甚化する折、誰が、何十万冊もの書籍を、洪水想定地域の地下へ、向こう60年も収納しようと思うのでしょうか? 

この時点で、非常識、極まりなく、忘れてはなりませんが、それを「新設しようとする」比較案です。

無論、現地建て替え案に於いては、浸水も想定して、閉架書庫が、一定レベルより上に設置されているならば、比較検討資料としても成立し、何より、図書への愛も感じます。

更に、整備費用の概算も、先に述べました、平均的な坪単価を用いれば、現地建て替えは「約67億円」で納まり、本市たっての“適正管理の起債”を利用すると、約33億円に減額。

しかし、「閉架書庫は地下設置が最適」と無理に正当化した場合、最大限の防水へ向け、数十億円の追加費用が発生する事でしょう。

そして、地下の場合に危惧すべきは、浸水も去る事ながら、それ以上に「湿気」対策であり、地下部分は湿気の極致です。

書籍に多大なるダメージを与えぬよう、湿度管理のため、最も「カーボンゼロに逆行した」かなりの空調設備を年中、休ませる事はなく、果たして、ランニングコストや派生し得る環境面も念頭に入れているのか、甚だ疑問です。

次に、駅前を検証すれば、広島駅の南口も、中国地方整備局の発表している、太田川が決壊した際の“洪水想定地域”であり、つまりは、一階の天井あたりまで浸水が及ぶ可能性がある。

そして、基本、ビルは軽く作られていますので、横揺れを受け流し、高さも保てますが、閉架書庫を上のフロアに集中させるほど、柱や壁面など、各所へ徹底した補強工事は必須となり、ゆえに、上の階には集中させられないが、下の階は浸水被害。完全防水なら、数十億円の追加予算で、湿気との戦いは未来永劫。

まさに、「前門の虎、後門の狼」状態です。

話は唐突にシフトしますが、あの平和記念都市建設法の通り、「平和記念都市として、文化施設等を整備するから」こそ、特別法を用いて、減免であったり、国から融通をつけて貰っていますが、つまりは、国民にも納めるべきモノを免除していただいているのに、いち時代の不明瞭な「楕円形の都心づくり」を持ち出されては、不義理にも、平和の象徴となる文化施設を、国有地からさらって行く意味が見出せません。

あの丹下健三氏は、機能と効率ばかりを追い求め、人間性を失いかけていた「機能主義」を見直し、その反省を基に、「有機物が成長する時は線的に伸びるのであり、最後まで円として成長する事はない」視点を活かし、都市に人と人との心の繋がりを生み出すべく、示されたのが、「シビック・アクシス」と呼ばれた、縦の都市軸です。

顧みれば、国内外では、収益性ばかりを求め、違法建築を進めた事から、多くの人命が奪われた過去があり、また、巨大客船が、収益性を求め、当初の船体に客室を増やし、バランスを失っては、多くの尊い命が失われた事もありました。

例示を持ち出せば、枚挙に暇はなく、今現在、我々議会が、ここで「まった」をかけなければ、とんでもない事態に陥る蓋然性が非常に高く、それは、本市が「人々と書籍の命を守らない」のではなく、無理が生じながらも「必ずや守る事になる」ので、向こう数十年間も、多くの公金と時間が“高い授業料”として「駅前移転に注がれ続けてしまう」、その可能性を多分に孕んでいるからに他なりません。

“制限時間10分”の時間も迫ってまいりましたので、今一度、行政側の約束事を再確認しておきます。

「本市の判断が、客観的に成立し得ないものである事が明確になるようであれば、当然、見直すことになると考える」。

つきましては、これより、事業の「最終決定」をくだされる、執行機関のトップに質問をさせていただきますので、全ての市職員を代表して市長に答弁を求めるモノですが、公平、公正が求められる“比較検討”において、中央公園、現地建て替えの場合、「浸水が想定される地下フロアに、地下工事ゆえ、多大なる追加工事費が発生するも、そこへ公金を充てる方向での検討を進め、かつ、向こう60年間、何十万冊もの書籍を納める方針にあった」。

“このような現地建て替え案”との、非常にアンバランスな比較プロセスでしたが、こうしたプロセスを広島市の市長として、「客観的に成立し得る」と判断をされた根拠を、ここに情理を尽くし、ご説明をいただければ幸いです。

投稿日 : 2023年2月23日
全編の前編と後編の今回は後編です

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