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命を数値化するなかれ

空から街を俯瞰すれば。

そこには“いつもと変わらぬ”光景が広がり。

しかし。

街頭にて道行く人々や。

一つ一つの窓、その先には。

多様なる暮らしが確かに営まれており。

この度は、そんな人々の“実生活”へ。うむ。

あれは1年半前の本会議であったでしょうか?私は。

確実視される“近未来”について取り上げては数々の提言を行った次第ですが。

そこから“しばしの時”が経過して、いざ「当時の近未来」を迎えてみると?

例えば今朝の新聞各紙においても「到来した実情」にスポットが当てられており。

折角の機会ですので、ここで幾つかひも解いてみたいと存じます。

顧みれば、コロナ禍に生活困窮者らの暮らしを支えるために、当時。

国の“特例貸付制度”で計「1兆4431億円」の貸し付けが行われました。

そして、2023年の返済額は、予定された「1047億円」の…

「37%」にとどまったことが、この度の厚労省のまとめで明るみになったと。

コチラの特例貸付は、20年3月〜22年9月に国費で賄われて実施され。

都道府県社協から1世帯あたり「計200万円」まで無利子で借りられた制度。

その返済が、23年1月から全国で始まり、34年頃まで続く見込みで。

いずれにせよ、全国では前述の通り、予定の返済額が全体の37%にとどまり。

背景には、困窮者が他に借金を抱えていれば…

収入がコロナ禍前まで回復していなかったりする事情があるとみられています。

補足まで、全社協が返済開始の対象とされた約260万件を分析したところ。

「返済中」は29.9%にとどまり、「連絡なし・滞納」が26.8%であったと。

関連報道で続ければ、2023年。

生活保護の申請件数は「約25万5000件」で過去10年でも最多を記録。

前年比で7.6%多く、20年から4年連続での増加となり。

昨年12月時点で、約164万5200世帯が受給され。

世帯の類型別では「高齢の単身世帯」が約84万1300世帯で最多。

ここまで、自らの主観を挟まず、現実的な“数字”を羅列してまいりましたけども。

当然ながら。

数字の裏側には事実、「困窮する人々の暮らし」が存在するわけで。

そこへ重ねて、冒頭にも触れました本会議で私は…

「企業へのゼロゼロ融資」についても言及しておりましたので、今回もPick up.

先述とデータと同様、今朝の新聞報道よりますと。

昨年度、全国の企業倒産件数が9年ぶりに「9千件」を超え。

背景には、コロナ禍の手厚い資金繰り支援で生き延びてきた企業の…

淘汰が増えており、24年度は倒産が「1万件」を超えるとの予測もあると。

(東京商工リサーチによる8日の発表)

改めて、内容に目を移せば。

負債額1000万円以上の全国倒産件数は前年度比32%増、9053件。

うち、資材価格が高騰する建設業が「39%」。

他に、飲食業の倒産は「930件」に上り、過去最多であったと。

重ねて、2月に約3000社を対象に実施した調査では。

原材料や燃料費などの“高騰分”を「全額転嫁できている」と答えた割合は?

わずか「4%」にとどまり、一方、価格転嫁が「できていない」との割合は?

「38%」までに上ったとのことで、人手不足や物価高が企業に重く響き。

かつ今月からは物流・運送業界で時間外労働の上限規制が導入され…

ドライバー不足の「2024問題」も本格しては、倒産に拍車がかかる恐れも。

他方。

休廃業した企業のうち、半数以上の51.9%が休廃業直前の決算で?

最終損益が「黒字」であったと。

つまりは、資産が残っているうちに事業をたたむ…

『諦め廃業』が広まりつつあるなど。

そこへ重ねて。

黒字経営でも“地方”ほど人口減による事業の先細りを肌身で感じ。

「これ以上、後生に苦労を負わせまい」と廃業を悩む、いわゆる…

“予備軍”の企業も多いと。

さて。

今朝の新聞報道を少し追っただけでも、重い空気に包まれてしまうのは確か。

でも。

そこから目を背けてはならず。

この春に軒並み…

各企業が(全体で30数年ぶりとなる高値の)賃上げを実行したところで。

物価高を差し引いた“実質賃金”は依然、変化の乏しい状態にあり。

数多、羅列してきた「実数」の数々ではありませんけども。

“そこ”には今、この瞬間も困窮し、多大なる不安を抱えながら…

懸命に暮らしている、生き抜いている人々が。

とどのつまり、長々と綴りながらも何を言わんや?

以前も触れましたが、各々の日常の中、ほんの“ひと手間”を…

お心遣いを、思いやりを他者へ、未来へ、自然へと加えていくだけで。

確実に世が変わるは必然。

満開の桜にせよ。

そこを形成するは、一輪の花。その結集であり。

まちづくりも同様。

お一人お一人の幸福あってこそ。

引き続き、皆さまでご一緒に。

投稿日 : 2024年4月09日
命を数値化するなかれ

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