ニュース速報が打たれた際は、私も本会議や委員会で訴えて来た一人であり。
世界の舞台、その末席に位置しようとも一入(ひとしお)の感動を覚えましたが。
何も私に限らず、この件に関しましては?
どなたであろうとも「末席」などと自らを卑下する事はありません。
なぜならば、地球上の一人ひとり誰もが“重要な鍵”を握っているのですから。
そう。来年の1月22日に発効する事となりました「核兵器禁止条約」について。
今日までの経緯や背景を取り上げるには、あまりに膨大な文字数を要しますけども。
改めて、この機会に私がスポットを当てるとするならば「オーストリア」です。
顧みれば、2010年に行われたNPT再検討会議あたりから、核兵器の廃絶へ向けて。
世界的にも「非人道性」の追求が、より色濃く打ち出され始めました。
こうした契機、潮流により。
「核兵器の非人道的影響に関する国際会議」が定期的に世界で開催され。
ある会議でオーストリアが発出された「オーストリア誓約」の中には、次の様にあります。
(後に「人道の誓約」と名称が改訂されています)
「オーストリアは全ての人々の人間の安全保障という緊急命題に従う事を促進して行く」。
「だからこそ核兵器の無い世界へ向けて全ての国々による努力に緊急性を与えるべきである」と。
もしもオーストリアが、周辺に複数の核保有国が存在する現実ばかりに囚われ…
「自国の安全保障のみ」を優先させるならば、蓋然性として。
自分達(同胞)の安全保障に“核の傘”を選択する事があったのかもしれません。
しかし、オーストリアは、事態を“地球共同体”で捉え。
「世界の人々を安全保障の対象」とした上での“緊急行動”を強く訴えられています。
うむ。上記の話に留まりませんが、多くを教えられるかな、オーストリア。
では、今一度の再確認と致しまして。
今年1月時点での推計ながら、世界に現存する核兵器の数は約「1万3400発」。
依然として、アメリカとロシアが上記の“9割以上”を保有しておりますけども。
コチラの両国は昨年に510発ほど核兵器の数を「減らして」います。
しかし、NPTによって「核の保有が認められている5ヵ国」と表するよりは。
「誠実に核軍縮へ歩みを進めなければならない」5ヵ国(米・露・英・仏・中)の内。
アメリカにロシアを除いた、イギリスや中国は核の保有数を「増やして」おり。
アメリカやロシアにせよ「数の増減」云々にあらず、核兵器を小型化させるなど。
着々と改良を進めては「リアルに使用する核兵器」の開発に取り組んでいる現状。
核兵器禁止条約の発効後も、肝要なるは冒頭にも触れました通り。
母国を動かすも、一国を動かすも、大国を動かすも、出発点は?
まず「一人ひとり」から。
結びに、過去に私が「核兵器の廃絶」へ向けて本会議場で述べた…
その一部を抜粋しては、下部に記します。
そしてココに、歴史的なオバマ大統領の来広にあたり唯一、米国側から招待を受けた「森重昭さん」について触れておきたいと存じます。
森重昭さんは、被爆当時から周囲より如何なる流言蜚語を浴びようとも「せめて米国のご遺族の方々には知らせてあげたい」この一念で、原爆によって命を落とされた米兵捕虜の調査を数十年間にも亘り続けて来られました。
そして、あの日の平和記念公園でオバマ大統領の抱擁を受けた後に「これで全ての役目は終わった」と感じながらも、一方では改めて自ら色々と考えさせられた上で「新たな感情」が芽生えては次なる目標への視座が開かれ、次の様な言葉を口にされております。
「如何なる力を持つ大統領や総理大臣であっても、その人々だけで核廃絶をする事は難しく、世界の為政者が一生懸命に取り組む事は基より、全世界の個人個人が核を無くす努力をしなければならない」。
「平和とは、個人も行動しなければならない大きな問題である事を、一人一人が認識して欲しい」と。
我々は、こうした偉大なる先人の功績に改めて深い感謝の意を抱きながら「個人の重要性」まで説かれる、その実感に満ちた声へ真摯に耳を傾けなければなりません。
投稿日 : 2020年10月26日
『ある日のBreaking News』