市内166カ所で土石流などが発生しては、全半壊の住宅は約400棟に上り。
災害関連死を含め、77人もの尊い命が奪われた「8.20豪雨災害」から。
5年の歳月が流れた、本日。
私も朝から安佐南区役所の1階ロビーで行われた追悼式へ出席し。
衷心より哀悼の意を表し、献花させて頂いた次第です。
(献花台は本日の17時15分まで設置、用意された菊花は数に限りがございます)
改めて当時を顧みると、発災直後に現地へ向かい、徒歩で各所を巡ったらば。
見慣れた街並みが、想像を絶する程に土砂や巨岩によって破壊され。
また各所では、毛布にくるまれたご遺体が静かに横たわり。
その前で呆然と立ちすくむ親族の方々や。
未だ山裾から流れ出る雨水をすくい上げ。
ご遺体に付着する泥を綺麗に洗い流してあげている人々の光景など。
私も言葉を失いました。
一方、被災地へは消防、警察、自衛隊、災害ボランティアをはじめ。
多くの人々が1日でも早い復旧・復興へ向けて多大なる力と心を注いで下さり。
朝から晩まで泥だらけになって取り組む最中、あれは8月31日だったでしょうか。
不通となっていた可部線の復旧を翌日に控え、試験運転車両が真横を通過しては。
周囲から「おお!」「更に、みんなで頑張って行きましょう!」との言葉も漏れ。
悲しみに包まれた街へ、僅かなれ明るい兆しが射し込んで来た瞬間は。
今でもハッキリと思い出されます。
(写真は、その試験運転車両)
その後、甚大なる被害に遭った安佐南区・安佐北区の99箇所へ…
砂防ダム等が緊急整備される計画が策定され。
先の7月末までに、96箇所の工事が終えられました。
しかしながら、コレまで言い尽くされている論調ではありますけども。
「ハード面」での整備に、過度な安心は禁物であり、今後へ向けて。
「ソフト面」での地域防災の確立を、つまりは地域の人々で地域を守る。
これまた高頻度に掲げられながら、今一度。
自助・共助の確立に、地域ぐるみで取り組んで行かなければなりません。
私なども今日まで、地域では多様なる防災・減災活動に従事しながら。
本会議や各委員会でも、無数の提言等を行って参りましたが。
その中では、ある委員会にて「3Dプリンタ」で作成した模型を持ち込んだ事も。
(持ち込んだ、被災した八木・緑井地区の模型)
ご覧を頂ければ、端的に一目瞭然となれ、住宅地の背後に広がる山々には。
「尾根筋」と「谷筋」が存在し、山へ降り注がれた多量の雨水は必然的に。
凹んだ谷筋、支流へ集まり、最終的に一本化され、下流域の住宅地へ流れ込む。
こうした「住まい近郊の地理(危険個所)を知る」教育は、アメリカなどで。
小学校の「防災教育」から用いられています。
昨今、本市でも各エリアでは、地域独自の「防災マップ」作成に着手され。
「どこが、どの様に危険であるのか?」との周知、認知が徐々に進みながら。
実際、全体から見れば、まだまだの感は否めず。うむ。
引き続き、尊い命の奪われた災害を風化させる事なく、かつ刻まれた教訓を。
皆で生かし、皆で、皆の命を守るべく、皆で取り組んで参りましょう。
投稿日 : 2019年8月20日
『8.20忘れまじ』