問われる覚悟と本気度

『三日間の議論がスタート!』との見出しも躍りましたが。

各国の政府関係者や専門家が一堂に集い「核軍縮」を議論する「国連軍縮会議」。

1989年からは、およそ年一回のペースで、国連が主催しては国内で開催され。

軍縮・核兵器廃絶へ向けて、アイディアを持ちより議論を重ね。

念願成就への意識と団結を更に高めては、その歩みを加速させるべく。

アジア・太平洋地域に於いても貴重な「機会」となる同会議も、25回目を数える今回。

開催地には広島が選ばれ、初日を迎えた本日、私も傍聴するべく足を運んで参りました。

まず、午前9時より、国連の「藩基文」事務総長のビデオメッセージを皮切りに開会。

関係者が挨拶等を述べられた後、オープニングのパネルセッションへ。

第一部は、「核兵器のない世界の実現へ向けて」をテーマに。

パネリストとして、知事に市長、ペリー元米国国防長官や大学教授に外務省のお役人さん。

また、被害者団体の坪井理事長が登壇されてのディスカッション。

余談ですが、このパートの冒頭に流された「国連ピース・メッセンジャー」を務める…

ハリウッド俳優「マイケル・ダグラス氏」のビデオメッセージには驚かされましたけども。

話は戻り、各々のパネリストから提言や意見が述べられ、続いては列席者との質疑応答。

この時点で時刻は11時30分となり、休憩を挟んでは、続いて11時50分から13時まで。

第二部となる、「核軍縮におけるCTBTの役割」についてのディスカッションへ突入。

この後は、場所をホテルから平和記念公園へ移して…

と、プログラムは続き。

明日、明後日も複数のテーマ(諸課題)を軸に据え、議論は続けられます。

そこで、同会議の主旨となる源流を辿り、過去へ遡れば。

米ソの両国間で戦後に初めて核軍備の「削減」へ向けて。

(現存する約1万6000発の核兵器の約9割を両国が保有)

それが、全ての核兵器(総数)における、わずか数パーセントの「削減」であれ実現した…

「中距離核戦力全廃条約」に調印、発効されたのが、27年前。

それから今日まで、世界の為政者、政府関係者や被爆者の方々に。

ひいては多くの人類が世界の恒久平和を掲げ、核兵器の廃絶を目指しながら。

悲しいかな、世界の軍備強化(競争)は、抑制・削減の取り組みを「いつの時代」も上回り。

都度、「核兵器の無い行動計画」や「軍縮を通じての安全保障」。

「核全廃の包括的な段階計画」に、近年では2009年の「プラハ演説」然り。

各国から幾度も提言がなされながら、具体的な進展の見られない現況。

そして、私などは政党色も無ければ右派でも左派でもなし、現在の国で申せば。

時の首相へ対して、「親安倍」でも「反安倍」でもありませんが。

末席の地方議員として、また一人の国民として率直に感じるは?

幾つもの要因はアレ、端的に一つ取り上げるとして、そもそも、そもそもです。

例えば、記憶に新しい今年4月のNPT再検討会議にオーストリアより提出された…

「如何なる理由、状況でも二度と核兵器が使用されてはならず」

「理想論をかざすのみに留まらず、早急な核廃絶の実現へ向けて」

「世界各国で横の連携を築き、その法的な枠組みを作って行きましょう」

と、107カ国にも賛同国が上った「人道の誓い」(誓約)に日本国は…

“賛同していない”のですから。

確かに、私の様な国家間の安全保障に不勉強なる者であっても。

オーストリアさんから「ぜひ日本さんも賛意を示して頂き、一緒にやりましょう!」と言われた際に。

日本側が「この誓約はガチじゃないですか!」「譲れない一線を越えているので、ちょっと…」

と、世界とアメリカの狭間で、戦後70年間「日本なりに」やりくり、振る舞っていたモノを。

それこそ「ご破算しかねない」がゆえ、賛同しなかった事に。

私などは賛同しかねますが、でも理解はし得る。

重ねて、東アジアの緊張が高まる折、「ワシントンを無視して『明日』にでも核の傘を飛び出ろ」と。

そこまで安直には申しませんし。

そこを日本国が“心底”望んでいる、いないは別にせよ、段階に調整も必要な事でしょう。

しかし、ココを堅守、継続しながら、大人の事情で核の廃絶を掲げられても…。

ですから、私は常々「広島市」に求めている事があって、過去にも書いて来た通り。

「世界を相手に平和を説く前に、まずは情理を尽くして母国を説いてくれ」と。

個人にせよ、都市にせよ、国にせよ、それぞれにそれぞれの「事情」は抱えているモノ。

ながら、実際の目標は「果てしなく高い」ハードルなのですから。

マインドであれ、慣習であれ、何かを破り、突破しないと実現など到底…。

それこそ「核の冬」ではありませんけども、「所有」を続ければ?

先のウクライナ問題のロシアの如く、嘘か誠か、本気度は不確かなれ。

「使用する可能性」は伴い、世界(人類)終焉の可能性も伴うモノで。

うむ。

末尾に、不遜なる事を申し上げれば、同会議のパネルセッションにて…

世界の人々へ向け、発言したくて、訴えたくて。

何時間も傍聴席に座りながら。

ウズウズ、ウズウズしておりました。

投稿日 : 2015年8月26日

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