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石橋りゅうじ 議会棟控室

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2019年 6月 議会 一般質問

これより会派を代表して、施政方針に対する質疑、並びに一般質問をさせて頂きます。

はじめに、この度、市長が表明された施政方針、その結びでは「これから50年、100年先を見据え、あらゆる分野で質的向上を図り、将来に向けて持続的に発展する広島のまちづくりに果敢にチャレンジする」と述べられました。

仰せの通り我々は、過去の歴史から学び、また現在の社会情勢を精緻に分析しては、かつ擁する知見を最大限に活かしながら、不確かなる50年、100年先の未来を見据えた上で、今後も適格なる政策を打出し、現世の人々のみならず将来世代までも、豊かなる幸福感を享受できる広島市を創出して行かなければなりません。

更に施政方針の中では「持続的な発展」との文言が幾度も用いられては「全体最適を追求するという発想に立つ」と述べられている通り、今現在、街づくりに携わる我々が刹那の「部分最適」に囚われてはならず、財政面でも「中期財政収支見通し」に留める事なく、子や孫の世代まで続く「ロードマップ」を描いては、依存財源の多寡に左右され難い、最大限の“自立都市”を目指す必要もあります。

また導入部分での「200万人広島都市圏構想」の提唱につき「圏域全体での持続的な発展」にもある通り、例えば半世紀と言わず、これより20年後の「2040年」辺りに目を向けてみても、広域都市圏で結ばれている各都市の推計人口は、竹原市が現行より「約40%減」、江田島市が「約49%減」、安芸太田町では「約56%」の人口減が見込まれるなど、今後は「公助への共助」が、より顕在化して来ると思われますが、事実として「これからの未来は、過去からの延長」にはあらず、ゆるぎない街づくりの矜持が今、我々に問われています。

そこで本市の発展や成熟は、広域の周辺都市にも好影響を届ける事は言うに及ばず、この様な本市が担う重責を前向きに捉えながら、コレより施政方針の冒頭から順を追って伺って参ります。

まず「活力とにぎわいのあるまち」の部分に於いて、市長は「広島の都心については全ての関係者が一丸となった大改造」を、また「楕円形の都心づくりを一層強力に進め、西の核である紙屋町・八丁堀地区では、中央公園を含めた地区全体のあるべき姿の共有」を述べられました。

改めて、この西の核である「本市の都心部」を顧みると、まず南側には74年前に原爆を投下された後、今日まで「被爆の実相」を世に語り続けては「世界の恒久平和」を希求する、原爆ドームをはじめとした平和記念公園が存在し、そこから北側へ各文化施設が配置されながら「サッカースタジアムの建設予定地」でもある中央公園広場へと続き、その隣には、この度、新たに“観光施設として魅力の向上が図られる”広島城が存在するなど、こうしたロケーションの意義を鑑みても「唯一無二」と呼べる本市の都心部へテコ入れが図られる事は、本市が世界へ向けて、また全人類へ向けたメッセージにも繋がるかと存じます。

ここへ付言をすれば、戦後、初めて世界へ発信された昭和22年の平和宣言では「この地上より戦争の恐怖と罪悪とを抹殺して真実の平和を確立しよう、永遠に戦争を放棄して世界平和の理想を地上に建設しよう」と結ばれており、重ねて昭和24年に制定された平和記念都市建設法、その第一条には「この法律は恒久の平和を誠実に実現しようとする理想の象徴として広島市を平和記念都市として建設する事を目的とする」とありました。

ここに敢えて飛躍した表現を用いれば、西洋の教会や建築物の装飾には、時に彩り溢れるステンドグラスを見る事も出来ますが、このステンドグラスには、その地域の歴史や物語が描かれ、後生に語り継がれる「モニュメントの役割を果たしている物」も少なくないと同様に。

つまりは「西の核」と位置付けられる都心部の街づくりは、一つの地方都市が行う、単なる整備事業とは趣を画し、また「地域活性化」などのコンセプトに留まらず、一発の原子爆弾により灰燼に帰した都市が「向こう75年間、草木も生えない」と言われながらも、そこから決死に先人達が立ち上がり、怒りや憎しみを越えて復興を果たしては、市民をはじめ、多様なる人々が豊かなる文化に包まれるなど「主体的に築き上げた平和」を謳歌する。

こうしたストーリーを、都市デザインにより具現化しては、都市の「在り様」を通じて普遍的な平和のメッセージを発する、まさに世界に冠たる「国際平和文化都市」のシンボルとなる“先駆的な象徴都市”を築く、我々は現在、この非常に意義深い「出発点」に位置しています。

つきましては「都心部の大改造」にあたり、今後は広島商工会議所ビルの移転と市営基町駐車場周辺での再開発を一体で行うリーディングプロジェクトや、広島の新たなシンボルの誕生となるサッカースタジアムの建設、また基町住宅地区の街づくりなどが進められる予定であり、全てが進捗を見せ、全体のバランスを持って「有機体」を成せば、都心部へ「新たなる活力と賑わい」が創出され「メッセージの込められた都市」が確立されて行く事は想像に難くありません。

そこで、こうした都心部の大改造を進める上で、単に世界のトレンドを模倣、追随する訳ではなくとも、近代社会の街づくりに於いて決して欠かす事の出来ないキーワードの一つに「環境」が上げられます。

「2020年の東京五輪」開催へ向けて、新国立競技場の建設が、木の温もりを感じられる「杜のスタジアム」をコンセプトに多くの木材が使用された事は“後生に受け継がれるレガシー”の一貫としても世間の話題を集めた国内の事例ですが、ひとたび海外に目を向けてみますと、例えばアメリカのポートランドやシンガポールの「City in the Garden」など、環境に重点を置いては水と緑の美しい庭園都市の開発を進め「持続可能な都市づくりの先端で急成長を遂げる」、この様な先例を耳にする機会も増えて参りました。

こうしたムーヴメントは単に、環境だけに注力するのではなく、環境面を優先させながら、快適でエコロジカルな暮らし易い都市を形成して行く事により、まずはそこへ住む市民が「シビックプライド」とも表される“自らの街”に誇りと愛着を持ち、「活き活きとした生活を送る市民の輝き」と対外的な発信により、その魅力に惹きつけられては域外より、更なる人材や投資も集まるなど「環境と経済を両立させる」取り組みでもあります。

そこで伺いますが、今後、都心部の大改造にも「環境」を絡め「良好な都市環境」を形成して行く事は必然になって来ると思われるのですが、本市では如何に捉え、また今後、取り組まれるのか?ここにお聞かせ下さい。

次に「都心部へのアクセス向上」に触れられた際には「国道2号線 西広島バイパスの都心部延伸」について「事業の早期再開を目指します」とありました。

改めて、本市の都心に敷設された道路網に目を向けてみても、バイパスが未整備であるがゆえ、信号機のある、幾つもの交差点を横切りながら引っ切り無しに「一般道を大型輸送車両が行き来する」現状は、一定規模を誇る都市の中でも「珍しい光景である」と言えます。

一方、本市に限らず各都市では、ある程度の道路網が整備され、そこへ新たな道路を整備するにあたっても、いわゆる「伸びしろ」と申しますか「開発の余地」は限定され、穿った見方をすれば、こうした状況下に地方事務所へ人員も抱え込む国が、各自治体を巻き込みながら「大きな事業に着手したい」背景も窺い知る事は出来ますが、幹線道路たるや重要な「経済の動脈」でもあり、私にせよ西広島バイパスの都心部延伸に否定的な立場ではありません。

しかしながら、あくまで15年前の試算となりますが、総事業費「約300億円」の内、本市が3分の1「約100億円」を負担するにあたり、時に「ジャンプ台」とも揶揄された現在の西区観音本町の中断箇所から東へ「2.3km」バイパスが延長された暁には、如何なる変化が生じ得るのでしょうか?

無論、一定の効果が派生するのは当然であり、重ねて国へ対して「高架の延伸」を要望している現状は加味するにせよ、今一度「整備効果」を含め、熟慮すべき事案かと存じます。

続けますと昨今、高齢者ドライバーの運転事故が頻発しては「高齢者の免許返納」なども取り沙汰されておりますが、こうした社会を取り巻く空気感が助長され、高齢者の方々が肩身の狭い思いをされては、良し悪しは別にしても免許の返納に拍車が掛かったらば、これからの超高齢社会に於いて「交通弱者」が増加の一途を辿る可能性も多分に孕み、かつ高齢者の社会参画にも弊害を及ぼすなど、より深刻な地域課題になる事は容易に推察されます。

そうした意味に於いても、本市では「公共交通の整備」に一貫して取り組んで参りましたが、この公共交通機関の利便性にせよ、最寄りの駅やバス停から自宅までの足の確保、いわゆる「ラスト1マイル」の問題は常に抱えているところで、そんな折「世界から周回遅れになっている」とまで言われながら、ようやく国内でも自動運転システムに関する規定を新設した改正道路交通法が、この5月末に可決、成立し、システムに運転を任せる「レベル3」の実用化に向けた法整備が進められるなど、移動手段を取り巻く新たな環境が徐々に整えられて参りました。

また今回の「政府のロードマップ」では、2020年を目途に「高速道路でレベル3を実用化」、更に交通量の少ない過疎地などに限定して、無人運転をする「レベル4の導入」も目標にするなど、未だ事故が起きた際の補償や責任の所在など、解決しなければならない諸課題はありながら今後、国内でも自動運転システムが飛躍的に普及する可能性は否定できません。

ここまでを振り返り、私が申し上げたい趣意は、冒頭にも触れました「50年先を見据える」着眼点で「到来する自動運転システムが当たり前の未来」を前提に、公共交通と同様、主要エリアを結ぶ自動車道の整備は必須であり、本市に於いても「まずは高速道路の環状線化を図る」べく「選択と集中」の選択に於いて、優先順位を付けるならば「西広島バイパスの都心部延伸」の前に「高速4号線の沼田出入口から山陽自動車道へ結ぶ事業」が先決になる事はないのでしょうか?

双方「これからの検討」が進められる現時点に於いて、私は「絶対にコチラが優先である」と断言しているのではなく、今一度、現状を俯瞰しながら、将来の社会動向も予見した上で「適宜、政策を実行する」その前段として、まずは先述の案件を比較、検討する為にも伺いますが、只今、列挙いたしました「西広島バイパスの都心部延伸と高速4号線の延伸」それぞれの取り組み状況について、ここにお聞かせ下さい。

続いて「観光の振興」について伺いますが、近年、本市へ訪れる観光客の内「9割以上」の人々が平和記念公園に足を運びながら、そこから北へ位置する広島城へ足を伸ばす人々は「全体の2割にも満たない」との統計も出ている通り、その要因は時間的な制約など、様々な事が考えられますけども、いずれにせよ、この度、観光施設としての魅力向上に「広島城へ着手される」事につきましては、私も心より賛意を示すモノです。

しかしながら、広島城が歴史的な背景を想起させるような“より魅力に溢れる場所”へと整備が進んだにしても、これは釈迦に説法となりますが、改めて肝要なるは、そこへ人々を導く「導線」ではないでしょうか。

そこで私などは、南側の平和記念公園から旧広島市民球場跡地の周辺を経ては、北側の広島城を含めた中央公園広場まで、この縦1.6km、横0.4kmの長方形エリア一帯を手前勝手に「ピース・セントラルパーク」と銘打っては、エリア内にある各種機能を有する既存施設や、新たに建設予定のサッカースタジアムも含め、その全体のバランスと調和をもって「シンボリックな空間を創出したい」と熱望しており、またエリア内の親和性と相互の回遊性を高めるべく、一つ参考になるであろう場所が、御本家とも言えるアメリカはNYのセントラルパークです。

かつて私が就職活動を行いながらも、苦難を極め、心の安らぎを求めては毎日の様に足を運ぶなど、当時、非常にお世話になったNYのセントラルパークですが、縦4km、横0.8kmのエリア内には、幾つものスポーツ施設や美術館に動物園まで配置され、年間利用者は「4千万人を超える」とも言われています。

ならばと、ココを訪れる人々の「来園目的」に目を向けてみると、その約65%を占めるのは「地元民のウォーキングやジョギング」、また「来訪者の観光」であり、単に“マンハッタンの中心部に位置する”にあらず、人々の往来を滑脱にする手立てとして有効なる機能を果たしているのが、広大なる公園内へ縦横無尽に張り巡らされては、各所で立体交差まで見せる「遊歩道」でもありました。

例えば、散歩を始めると、緩やかな坂の遊歩道を上り切った先や立体交差の遊歩道を潜った瞬間、突如、一面に広がる緑の景色や、林立する摩天楼に各文化施設などが顔を見せて来ます。

その遊歩道にせよ、並木のガイドラインに導かれ、真っ直ぐに伸びては公園の背骨を成す遊歩道に、先を急がせないとばかり蛇行する遊歩道、更には多様なる時代の装飾が施された短い橋梁も点在するなど、こうした“心難いまでの演出”が各所になされており、エリア内の回遊性を向上させるには、周遊する動線を重要視し、そこへの「労を惜しんではならない」典型例とも言えます。

続けて、同じく海外事例の提示となれ、私が3年前に観光政策の視察の一環として、フランスのJNTO、日本政府観光局を訪ねては、色々と学ばせて頂く機会があったのですが、例えば、フランスの“ある地方都市”では、まず、歩いて巡る「観光コース」を街中にグルリと設定し、そのコース上の歩道には、延々とカラーの細い線が敷かれ、しかも線上には要所に「次なる観光スポットの名称と、そこまでの距離」が記されており、これは地図やスマートフォンを持たずして、期待感を胸に「観光コースが巡れる」試みとなります。

一方、本市でも「歩いて観光を楽しんで頂こう」と、市内各所17もの散策コースを設定した、まち歩き観光マップ「広島とりっ歩」なども展開されておりますが、正直な話、多くの方々に浸透、知れ渡っているとは言い難く、いずれにせよ、例えば「お行儀について」物議は醸しながら、食文化を満喫する「食べ歩き」の要素が人気観光地の「リピーター獲得」にも大きく貢献している通り、「歩く観光」は本市にも欠かせないコンテンツかと存じます。

縷々述べて参りましたが、この度の施政方針の中では「観光プログラムの開発」や「観光資源・観光サインの整備」も盛り込まれている事を考えると、本市でも「広島とりっ歩」と先のフランスの試みを絡めるなど、ここに今一度「歩く観光」、その確立と魅力向上にテコ入れを図って頂きたいと望むのですが、本市のご所見をお聞かせ下さい。

続いて、二つ目のまちづくりの要素でもある「ワーク・ライフ・バランスのまち」について伺いますが、市長は「高齢者いきいき活動ポイント事業」の仕組み、並びに同事業の様に、共助が自助と公助を繋ぐ重要性からも「こうした事業を更に充実させ、高齢者の健康づくりと社会参加を促進させたい」旨を述べられました。

また続いての文脈では「市民一人一人が日々の暮らしに潤いと豊かさを実感できるよう」スポーツ・文化芸術の振興についても言及されており、ならばと、この辺りを結びつける施策、手法の一つとして、私が過去に様々な発言機会で触れて来た話題を、ここに改めて振り返らせて頂きます。

人間の脳内には「ミラーニューロン」と呼ばれる機能が備わっており、これは視覚から入って来た映像を、言ってみれば自らの脳内で、自らの体を通しながら再現、リプレイするモノです。

こうした医学的な見地からも、高齢者の方々がスポーツ観戦に出向き、そこでトップアスリートのパフォーマンスを通じた体の動き、足を運ぶリズム、筋肉の使い方などを、たとえ自身に専門的な知識や経験がなくとも目にするだけで、自然に「若い頃の」と言えば失礼ながら、最も旺盛に体が動いていた頃の「肉体の使い方」が呼び起こされ、「健康増進、若返りの効果がある」とも言われます。

重ねて本市のみならず、全国的な傾向として、今後、確実に単身高齢者も増加して行く中で、決して無理強いは出来ませんが「まずは外出をする」「人々と出会う」「新たな交友を築く」「遣り甲斐や生き甲斐の創出」などの意味合いに於いても、高齢者の方々がスポーツ観戦に足を運ぶ「キッカケづくり」の一つとして、現行制度の延長や新たな制度の創設でも構いませんので、「高齢者いきいき観戦ポイント事業」を展開するのは如何でしょうか。

確かに現在も本市では、トップス広島の加盟チームを観戦し、集めたポイントで、サインボールなどの関連賞品を手に入れる「トップスポーツ観戦ラリー」や、西区ゆかりのトップスポーツチームの観戦に絡めた「わくわくスタンプラリー」などにも着手されておりますが、いずれも「3試合を観戦した結果、抽選や先着で何名様」と、「高齢者いきいき活動ポイント事業」の様にポイントが溜まり、手帳の空欄が次々とスタンプで埋められる、こうした確かなる実感や更なる次回への動機づけ、この辺りに「繋がっている」とは言い難い現実も否めません。

他方、各クラブの選手からしてみれば、一人でも多くの方々に、会場へお越し頂く事は、プレーの後押しや励みに繋がるのも当然であり、かつ各クラブ側でも率先して、高齢者の方々が観戦し易い環境整備や企画も打って頂きたいとは願うのですが、改めて、この「高齢者いきいき観戦ポイント事業」について、本市のご所見をお聞かせ下さい。

続いて、「学校教育」について伺いますが、この度は「多様な教育プログラムを提供できるよう」、また「国際平和文化都市としての特性を生かした実践的な会話ができる英語教育の導入」なども掲げられておりますが、そこで都度、アップデイトを迫られ、新たな業務を担うのは、現場の教員でいらっしゃいます。

先日、私もある学校の校長先生とお話をしたのですが、この新年度を迎えた時点で必要な教員数を満たしておらず、結果的には「早期に新たな教員が配置されて事なきを得た」との事でしたけども、年々、教員免許を取得しようとする学生が減少傾向にあれば、ベテラン教員の大量退職、公務員削減の流れにより正規教員の人数的な抑制が進むなど、置かれる時代背景も手伝い、この様な「教員の欠員」「先生不足」の実情は、今や教育現場が抱える全国的な問題でもあります。

重ねて、市教委や県教委、合同で行われる教員採用試験でも、その「受験倍率」は年を追う毎に低く推移し、直近では「3倍強」の状況にありますが、全国では限りなく「1倍」に近い所も出て来るなど、つまりは「受験した学生が、殆ど全て合格する」、敢えて率直な表現を用いれば、そこには「適正も何も問われない」傾向も散見されています。

改めて「教育が国をつくる」と言っても過言ではなく、しかし、こと教育に関しては一朝一夕に現場が改善される特効薬や妙案は存在せず、地道な「教員の環境整備」が求められるところ、この度の施政方針では「教員が限られた時間の中で、児童・生徒と向き合う時間を確保できるよう、学校における働き方改革を推進します」とありました。

そこで伺いますが、全国的にも「教員のなり手が少なくなっている」最中、本市に於いては「教員志望者」を如何に増やし、質を如何に担保して行くのか、また「教員の職場環境」を改善し、人材を確保する為にも、どの様に「働き方改革」を推進して行くのか?ここにお聞かせ下さい。

続いて、市長が三つの要素と共に重要な方針として掲げられた「災害に強いまちづくり」について伺います。

顧みれば、近年でも本市は20年前の「6.29豪雨災害」、5年前の「8.20豪雨災害」、そして昨年の「西日本豪雨災害」と都度、甚大なる被害を受けては多くの犠牲者を出しながら、「その失われた尊い命を、無駄にしてはならない」「災害の記憶を風化させてはならない」と積み重ねられた経験を基に、今日まで継続して「防災・減災の街づくり」に着手して参りました。

その結果、防災対策に完璧などはありませんけども、近年では「ハード・ソフトの両面」に於いて、災害から人々の生命や財産を守る体制は着実に整えられ、各所でも自主防災会の意識が高まり、活動が活発化しては、更に先の5月に広島県が、昨年の西日本豪雨災害における「発災後の初動、応急対応の状況や、改善の方向性」を整理した検証結果を広く報告した後、共有が図られるなど、今後も市町を越えて取り組みが進められて参ります。

そこで私も5年前、そして昨年の災害の際も、市域に留まらず県内各所を巡り、様々な復旧活動に従事させて頂いたのですが、現場で改めて「改善の必要」を痛感したのは、避難された方々を受け入れる「避難所について」であり、私は昨年の12月議会で災害関連について一般質問を行い、その再質問の際「スフィア基準」に触れさせて頂きました。

改めて、この国際的な基準は、個人の尊厳と人権保障の観点から、1人あたり3.5平方メートルのスペースの確保や、世帯毎にプライバシーを守り、独立した生活空間が保たれる事、他にも最適な快適温度が保たれ室内の換気が行われる事や、トイレは「20人に1つ以上」で男女別に設けられる事などが定められたモノですが、重要視されるべきは只今、列挙した数字や規定を「単に追求する」にあらず「被災者の方々の尊厳ある避難生活を如何に守るのか」、このコンセプトにあります。

災害大国の日本にあって、かつ近年も頻度が増しては、その規模さえ、拡大化する自然災害を前に、当然、万全なる態勢を各所で「必ずや保つ」事は困難を極めますが、これだけ都市型の局所豪雨が頻発する昨今、行政が指定する避難所や垂直避難を促す緊急退避施設の他にも、平素から大型の民間商業施設とも連携を図るなど、「災害死ゼロ」を目指しながら、未だ後を絶たない「災害関連死もゼロ」にすべく、更なる想定、避難所の体制整備は必須かと存じます。

今日では、発災前に迅速なる避難を促すべく「あらゆる手法」が用いられる様になり、発災後も被害を最小限に抑えるハード面の整備や、これまでの災害における被災地の「復旧・復興」、また未だ日常生活を取り戻せない「被災者のフォロー」と、あらゆる方面で人々が最善を尽くす只中にあり、避難所に関しましても今なお、改善が進められてはおりますが、災害の規模如何では「想定を数倍は上回る避難者」が駆け付け「長期に亘る避難生活を強いられるケース」も決して絵空事ではなく、まだまだ「改善の余地」が残されているのではないでしょうか。

あくまで極端な例となりますけども、地震大国であるイタリアでは、発災後に備蓄してある数百個の大型テントや1500人分の簡易ベッド・簡易トイレなどが大型トレーラーに搭載され、瞬く間に被災地へ揃えられ、そこから始まる「避難所生活」にせよ、被災者の心のケア、その対応、体制も徹底されています。

つきましては、昨年の災害後に行われた「避難対策等・検証会議の提言」を踏まえ、「避難所の環境整備等」について、どの様に取り組まれたのか、また今後の取り組みについても、ここにお聞かせ下さい。

そして改めて、梅雨時期とも重なり、自然災害に関しましては、どうしても人々の耳目は「豪雨災害」に集まりますが、向こう30年で「80%の確立」で起こるかもしれぬ「南海トラフ巨大地震」にせよ、学会のアンケートでも大よその学者が「直前の事前予知は不可能」とされる通り、浸水、液状化現象、火災、上下水道の分断、防犯なども念頭に、今一度、本市でも防災訓練の拡充、注意喚起など、更なる地震への準備、対策を行って頂く事を最後に要望して、私の施政方針に対する質疑、並びに一般質問を以上とさせて頂きます。

ご清聴、誠に有り難うございました。