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日記|DIARY

2010年6月03日  東に生かす人あれば西に壊す人あり



広島市西区に、昭和初期に建てられながらも、戦火を免れた和洋折衷の豪邸がありました。


趣のある木造建築の建物で、1946年から料亭旅館として開業していた…


その名を、「三瀧荘」。


当時より、各国の要人の宿泊先として、また将棋の棋王戦や囲碁の碁聖戦の舞台としてなど、国内外の方々に広く愛されていたお宿。


私の知人が、まだ就職して間もない頃、齢にして20代半ばに同料亭の暖簾(のれん)をくぐった際に。


「ここを訪れたお客様の“最年少記録”を樹立した」と言われるほど、権威と気品を兼ね備えていた場所だったとか。


そんな三瀧荘も、惜しまれつつ、2006年に幕を閉じました。


さすれば。


東京にある、ウェディング・プロデュース会社が、この歴史的建造物に着目。



伝統ある「三瀧荘」というブランド名を継承しながら、現存する建物や庭を活かした“ジャパニーズ・モダン”をテーマに掲げ。


2009年の秋、完全貸切型の「婚礼施設」へと再生、オープンさせたのです。


そして、先だって同会場で披露宴の司会を務めて参りましたが、その空間たるや…


「見事ナリ」。


色彩、質感、昔ながらの「和」と現代アートを融合させた「美」。



『歴史的建造物をリノベーション(再び生かす)した和モダンの式場』と言うだけあり。


同空間へ一歩足を踏み入れれば、老若男女、また国境を越えて誰もが“魅了”される事でしょう。


庭園には、樹齢250年や400年以上もの木々が見られれば。


長い渡り廊下の側面には、昔ながらの重い鉄の扉が残されており、そこは昔は「蔵」だったのですが…


今では、ガラス張りの「喫煙室」になっていたり。


歴史的な建造物の要所に、現代の息吹が。


そして、若い世代に対しても…


「新鮮な和が発見できますように」ですって。


採点するならば、100点満点中、120点ですよ!


満点をハミ出すくらい、何の非の打ち所も無し!


従来ならば、プロデュースする会社が「自らのエゴ」を押し出して屋号など変更しては新たな名前でも付けそうなモノですが…


「三瀧荘」(みたきそう)を生かす、そのセンス!その人間味!


訂正します。コレは150点でしょう!!!


でも、私ごときが偉そうに唱えるまでもなく、今の時代潮流であったり、海外など古来より「歴史の継承」を本当に大事にする。


ニューヨークなど、近代的な摩天楼の間には、1900年代初頭に流行を生んだアール・デコ様式の建造物などが守られ、現代建築と調和を生み出しています。


ヨーロッパなど、老朽化が進んだ発電所を“美術館”にして再活用したり、同様の古い建造物を“駅”として再生させたり。


「先代」が築いたモノを、現代に生きる者が受け継ぎ、それを次世代に「つなげている」のです。


「またか?!」の話で恐縮ですが、現在に目を移し、広島市民球場。


戦後、荒廃した広島の街に誕生しては、家族を、職を失った人々、お金持ちも貧乏人も、みんなが集った「夢の器」。


「唯一の娯楽」を提供してくれていた。


球場を、またカープを何とか存続させようと寄付をして下さった方々に対して…


カープ球団は、せめてものお礼にと「所有権の証明書」を発行していた時代もあった。


そんな人情の溢れる時代があり、「広島」の歴史がある。


このシンボルを、公園にする、3年後には博覧会を開催するから「1日でも早く解体しよう」との動きが。


本日の記者会見でもありましたが、いよいよ大詰めを迎えて参りました。


数十年後。


広島市民球場が存在し、しかも上手に「再び生かされていた」ならば。


我が街を、誇りに思います。


我々も、戦後に苦労された人々が築いて下さった…


その礎の上で「生かされている」のですから。

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