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日記|DIARY

2010年12月18日  曖昧なる数字と確かなる数字


先日、こんな記事が。


『五輪招致できたら…経済効果6931億円 広島市が試算』


「広島市は16日の市議会総務委員会で、2020年夏季五輪招致が実現した場合」


「市内での経済波及効果は6931億円との独自試算を発表した」


「市内の施設整備費、観光客らの宿泊代や交通費などを合わせた直接効果額が4365億円」


「そこから企業が新たに発注することなどで別の利益が生じ」


「増えた給料で従業員らが物を買うなど新たな需要を生むまでの額を2566億円と算出した」


さてと。


どんな案件に関しても、時に「経済効果○○円」などと謳われますが、この経済効果ほど“曖昧”な数字はありません。


あくまで、複数要素を半ば強引に数値化しての「試算」ですから。


私も以前、東京の有名大学教授と「スポーツが生み出す経済効果」について熱い議論を交わしましたが…


誰も「経済効果」の数値を信じては、そこに頼っている方など皆無。


無論、繰り返しとなれ経済効果は試算であり「目安」。


そこに徹底した正確性は求められなければ、否定するモノでない事も確かです♪


ちなみに、広島五輪の話となれば、時に比較対照として持ち出される「広島アジア大会」。


この時の、当初、経済波及効果は「821億円」でした。(この「821億円」の算出自体に信憑性を求めていない話を前提に)


そして大会後、新聞記事には、こうあります。


「観客数伸びず、予想を200億円下回る」と。


補足までに、幾つかの「アジア大会前・予想数値」と「大会後の結果」を並べれば…


広島に派生するだろうと予想していた「宿泊費・見込み」は、結果「3分の1」へ減少。


「観光客数」も、当初見込みに比べ、「5分の1」にとどまりました。


乱暴に「ホレ見たことか!」と言うつもりもなく、予想段階では誰もが希望的な観測も含めて大らかにソロバンを弾くもの。


紙面に並ぶ「数字」に踊らされてはなりません。


しかしながら、予想でなく現実を表す「確固たる数字」も存在する。


以前から唱えておりますが、求められるはメディア・リテラシー。


僭越ながら申せば、受け取る側が成熟しなければなりません。

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