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日記|DIARY

2009年2月15日  トーク&レスポンス


「喋る」。


私共がテレビやラジオで喋る際も、一見“思うがまま”に喋っている様で、水面下では、実に「無数のフィルター」と単語や表現の「選択コンピューター」を通して言葉が発せられたりしています。


例えば、日付などでもそう。


アナウンサーが発する「12の月」を注意して聴いてみると、3月、5月、9月は単語の頭にアクセントが来て、後半に向けて下がって行く。


そして、それ以外の月は、全て語尾上げの発音になっています。「2月」ならば、「ニガツ↑」と。


その「ニガツ」の中央に位置する「ガ」も、正確には「ガ行鼻音」の、極端に言えば「ンガァ」だったりしますけども。


また、目の前にある「味の素」を「うまみ調味料」と言い換えたり、「シーチキン」は「ツナ」と言う。


これは、前者が「あるメーカーの商品名」だから。


つまり、車を見れば、全て「デミオ、デミオ」と言っている様な事と同じになってしまうからであり。


他にも、原稿に「約20個」とあれば、受け手に「やく20」が「ヒャク20」と聞こえての混同を生まないよう、「およそ20個」や「20個あまり」と読んだり…


「A、もしくはBより選んで下さい」は、「A、もしくはB“から”選んで下さい」と表現したり。


「まず最初に♪」の「まず」と「最初」は「はじめ」の意味で重複してますから、「まずは♪」と喋る。


「小雪が降る」ではなく、「小雪がちらつく」が適正の表現であったり、「食べる」は“ら抜き言葉”なので「食べられる」。


無論、無神経に「誰かを傷つける」様な表現にも“細心の注意”を払わなければなりません。


かと言い、トークの部分で、当たり障りの無い「毒にも薬にもならない言葉」ばかり羅列していてもしょうがない訳で、この辺りの塩梅が、喋り手の「個性」だったりもします。


ただ、以前も書きましたが、満面の笑みで「うどんは美味い!」と言えば、「ならばソバはマズイいのか?」とお叱りを受け…


そこを踏まえ、「ソバって美味しいですね♪」と言えば、「貴方はソバ・アレルギーの事を考えないのか?」と突っ込まれたりもする。(あくまで「例え」)


故に、繰り返しとなりますが、準備を施して喋る際、突発的にアドリブで喋る際を問わず、喋り手は、それは都度「頭がフル回転」しているモノです。


では、長い“前フリ”は終了とし、「ある喋り」の検証へと参りましょう。次の記事から。



広島市の秋葉市長は13日の定例会見で、市民球場跡地・利用計画の集客力を疑問視する声があることに対し、「自信を持って当初の目的が達成されると考えている」と発言。


目標とする年間150万人の集客は可能だとして計画は見直さない考えを改めて示した。


また、秋葉市長は05年秋以降、プランを公募して選考委の審議などを経て計画をまとめた点を強調。


「専門家の知見や判断に基づく結果は当然尊重すべきだと思う」とした。


市は今後、イベント開催など具体的な集客プランを提示し、関係者に理解を求める方針だ。


さて、私共「喋り手」からすれば、「NGワード」のオンパレードです。


まずは、次の一文、「専門家の知見や判断に基づく結果は当然尊重すべきだと思う」。


先だって、周辺地域の方々が現行に対して起こした、「もっと時間をかけ、地域の未来につながる案にしよう」の運動ではありませんが、多数の方々が今の計画に反対、もしくは疑問を抱いている。


にも拘らず、「専門家の判断」を“かたくなに最優先”して、しかも、それを公式に「幾度も口にする」。


「市民は間違っている」「市民よりも学者の感覚が優れている」と受け取られる可能性も“充分”にはらんでいるのに。


あそこまで斟酌が存在しないのですから、そう受け取られる方々も沢山いらっしゃると思われます。


公の場で発言するにあたり、「こう発言すれば相手がどう感じるか?」を、なぜ事前に察し得ないのか?


スタンスを崩したくないのは分かりますが、でも市民感情に配慮した“他の表現法”など無数に存在するだろうに。


また、同氏は事ある毎に「ある程度の時間を費やし段階を経て来た」とも言われますが、にも拘らず「未だに集客の具体的なイベント・プランすら示せていない」事実。


逆に言えば、「何年が経過しているのか?」


その上で、「自信を持って当初の目的が達成されると考えている」との発言…


日々、「こう発言すれば相手がどう受け取る」に粉骨砕身している者からすれば、嫌味や皮肉でなく「その無防備ぶり」が羨ましくも感じられます。


オバマ大統領みたく、27歳のスピーチ・ライターでも雇えば…


そもそも、そんな若手や他方面の方々を「跡地利用・選考委員」に抜擢する柔軟性を持ち合わせていたなれば、こんな混迷は生み出していないでしょけども。


普通、市民の長ならば、尊重すべきは「市民の知見や判断」ではないのか?


普通は。

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