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石橋りゅうじ 議会棟控室

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2020年10月 決算特別委員会 総務

本日は、私のライフワークにもなっている「スポーツ振興」について伺いますが、本市における「スポーツ・レクリエーションの振興」につきましては「第5次広島市基本計画」の部門計画にあたる「広島市スポーツ振興計画」に基づき、計画年度を「2011年度から2020年度までの10年間」と定めては、数々の計画、目標を立てて、今日まで取り組んで来られたかと存じます。

そこで、ただいま触れましたスポーツ振興計画の中には「誰もが気軽に参加する事の出来るスポーツの振興」であったり「トップレベルのスポーツの振興」など、本市がスポーツ振興に取り組むにあたっての「課題」、並びに課題解決への「打開策」が幾つか列挙されておりますので、本日の決算特別委員会に於いては「抱える諸課題が令和元年度には、如何に改善されたのか?」を念頭に、コレより質疑を行って参ります。

では、始めに「誰もが気軽に参加できるスポーツの環境づくり」の課題、こと「ハード面」について伺いたいのですが、その前段に、まずは近年における「本市のスポーツ環境・ハード面の変遷」を再確認、皆様で共有しておかなければなりません。

コチラは(パワーポイントでデータ資料を提示しながら)「政令市が所有する体育施設数(プール・野球場・陸上競技場・体育館)の比較」の2007年データとなりますが、一覧表に目を通しますと、本市は(当時の)17政令市中、下から3番目の15位につけており、「スポーツ王国」と呼ばれながらも、市立の体育施設数は決して「潤沢とは言い難い」模様が窺い知れます。

では続いて、そこから約10年が経過した「政令市の屋外スポーツ施設数の比較」2016年データに目を移しますと、テニスコートの数は「20政令市中、3位」につけておりますが、陸上競技場は「7位」、ソフトボール場は「17位」、野球場やサッカー場に至っては、共に「19位」と、相変わらずとの表現には語弊があるかも知れませんが、施設数の少なさは一きわ目立ち、依然、大幅な改善も見らません。

確かにスポーツ施設など一足飛びに整備が進められる話ではなく、しかも本日、ココにいらっしゃる人々の責任と言うよりも、「今日へ至るまでの決断、取り組み」を進めて来た人々に起因するデータ、結果となりますが、補足までにご近所の岡山市と比較してみると、ソフトボール場は、本市の設置数「3」に対して岡山市は「41」、野球場は本市の「7」に対して岡山市が「37」、サッカー場は本市の「2」に対して岡山市の「32」と、「隣の芝は青かった」などと申しますが、もはやご近所さんのスポーツ施設数は、本市の4倍や5倍どころの話ではなくなっています。

ついては、改めてココに伺いますが、本市が当初より挙げていた課題「誰もが気軽に参加できるスポーツの環境づくり」に対して、ハード面の整備では「令和元年度」一年間で何に取り組まれたのか。またスポーツ振興計画で定められた「過去10年間におけるハード面の取り組み」を本市は如何に受け止めているのか。お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

現行の「広島市スポーツ振興計画」の設定期間は本年度までとなっており、本市は「今後、振興計画を新たに策定する事はないが、これまで行き届かなかった部分の改善へ引き続き取り組んで行く」「これからも打開策は踏襲する」との姿勢を示されているので、ならば伺うとして、本市は今後、ハード面での環境整備を如何に進めて行くのか。お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

ココまでの答弁にもあった通り、新設する野球場に大規模なサッカースタジアムなど、本市が一歩一歩、ハード面の環境整備を進めているのも確かで、また会場(施設)の不足たるや、一朝一夕一に解消されるモノではなく、相応の時間と多額の費用が伴って参ります。

そこで「施設の新設整備」のみならず、私が切に進めて頂きたいと願うのが「現存施設の有効活用」であり、例えば学校が有するグランドや体育館などの体育施設は各所に“一定数”存在し、学校教育法やスポーツ基本法でも「有効活用すべし」と促されているので、ココに「有効活用スペースの棚卸」と申しましょうか、再確認として伺いますが、決算資料には「スポーツ振興の為の学校体育施設開放」にあたり「2,771万3千円」が費やされておりますけども、改めて、その使途、並びに内訳をお聞かせ下さい。

※行政側 答弁

そこへ付随して伺いますが、地域で新たにスポーツ団体が新設され、校庭開放委員会に登録はしたけども「全く施設が利用できない」などの事案は現場で生じていないのか。また施設利用が一部の団体に偏り「既得権益化しないよう」行政としても監視・監督指導等が必要かと思われますが如何でしょうか。

※行政側 答弁

市内では高頻度に体育施設が利用され「全く空きが無い学区」もあれば、翻り「かなり余裕がある学区」もあるなど、こうした“地域格差”は現在、生じていないのでしょうか。

※行政側 答弁

市民のスポーツ活動の場を拡大すべく、利用対象者の範囲を原則「小学校区」としながらも、場合によっては「中学校区に広げる」など、柔軟な対応を呼び掛けているのは私も承知していますが、今後、地域格差の是正策を如何に考えていらっしゃいますか。

※行政側 答弁

今回、私が「地域の体育施設」を取り上げた一因は「当たり前と思われる事が、実際に現場では当たり前に行われていない」ゆえに取り上げた訳で、まずは担当課も「徹底して現状の把握」に努めて頂き、スポーツマンシップにのっとり、限られた時間とスペースを極力、多くの人々でシェアする、こうした「既存施設の最大限の有効活用」に向けて、行政としても改めてギアを入れて頂きたいと、ここに強く要望しておきます。

次に、冒頭にも触れました本市の抱える課題に「トップレベルのスポーツの振興」がありましたけども、コチラへは「トップチームの活動支援」「国際大会や全国大会を誘致しては、一緒に観る、触れ合うなど盛り上げて行く」などの改善策が掲げられては、今日まで取り組んでいらっしゃいますので、この度の決算資料にある「トップス広島の試合観戦の促進」「47万9千円」について伺うとして、令和元年度に取り組まれた内容と、その成果をお聞かせ下さい。

※行政側 答弁

例えば(パワーポイントで写真、データを提示しながら)コチラはNYのマンハッタンにある「tkts」のチケットブースですが、tktsとは主に、ミュージカルやコンサート、演劇にダンス、バレエに美術館・博物館、スポーツ等の当日券を含む公演チケットを「2割から5割引」で販売しているディスカウントストアであり、昨年の夏に日本でも渋谷に初上陸しておりますけども、スポーツやショービジネスの本場アメリカでは「一流のスポーツや芸術に触れ合いやすい体制」が確立されては、そこへ伴い、次世代のアスリートやアーティストが育まれ、文化が継承される環境が長年にわたり整えられています。

話は広島へと戻り、ひとえに決算とは「過去を検証し、今後に反映させる」機会ですから、トップレベルのスポーツに関しましても、例えば「トップス広島」など、言うに及ばず広島の財産であり、本市のスポーツ振興に際してトップス広島に対しては今後、予算も含め「より一層のテコ入れ」に着手して頂きたく、そこへ重ねてトップス広島を“最大限”活用する「ソフト面の拡充」についても、改めて行政に力を貸して頂きたい事があります。

私も個人的に各クラブに打診しては、かつ連携して今日まで様々な取り組みを行って参りましたが、一例として「アスリート側から市民へコンタクトを図り、喜ばれる訪問事業やスポーツ教室」などを拡充する場合、シーズンやオフシーズンとの兼ね合い等もあって、頻度を増やす事が難しい一面はありながら、例えばJリーグの川崎フロンターレは、1997年から毎年、クリスマスに市内の小児病棟を慰問する「青いサンタクロース事業」を展開されています。

こうした事業は「市民に喜ばれる」のみならず、社会貢献としてアスリートを育てる事にも繋がり、かつクラブ側は広告宣伝費を要さずとも、ニュースソースとしてメディアに取り扱って頂ける可能性も孕むなど、言ってみれば「皆が幸せになれる」試みであり、この辺り本来は、行政の主導や指導云々ではなく、各々のクラブが地域への「ご恩返し」として自発的に取り組むべき事業ですが、各クラブもコロナ禍にあって目の前の対応に追われ、言い方は失礼ながら視野狭窄に陥りがちな昨今ゆえ、折を見ながら是非、行政側からもクラブが取り組む社会貢献事業の実現へ「水を向けて頂きたい」と要望するモノです。

また、本市は「ジュニア世代の育成」にも力を入れていますが、この高齢社会「コロナ禍に起因した運動不足」も手伝い、例えばロコモティブシンドロームにもあるように「高齢者の方々の免疫力低下」が懸念されますので、先に触れましたソフト面の拡充、その一助に結び付け、高齢者の方々が外出しては会場へ足を運ぶキッカケとなるような、同時に新たな仲間が生まれるなどの交流を生み出し、何よりも「誰か(クラブやアスリート)を支える」との生き甲斐、目標を設定し、健康寿命の延伸に繋がるようなスポーツ“シルバー応援企画”等を展開、そこを後押ししては「日本で一番、シルバー世代の応援が熱いまち広島」を実現すべく、繰り返しとなりますが、行政の力を貸して頂きたいと存じます。

続いて、スポーツの振興に際しまして、当初より「国際大会を観る、触れ合う機会を創出する」との課題が挙げられておりましたので、ここに伺いますけども、令和元年の決算資料に目を通しますと「スポーツ大会の開催支援」について「9,124万円」が執行されては、継続支援しているレギュラーの大会以外に、イレギュラーの大会誘致にも成功、そこへも支援されているので、担当課として当該年度を振り返り、如何なる総括をされているのか。お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

まずは安定して毎年度開催する「織田記念陸上」や「ひろしま国際平和マラソン」など、ベースとなる大会が肝要となりますが、並行しての「積極的な国際大会誘致」には引き続き着手して頂きたく、約6500億円の経済効果をもたらした「ラグビーワールドカップ日本大会」まで行かずとも、過去に日本で開催され、世界各国から多くのプレーヤー、関係者が来日されては成功を収めた「フリスビー版のラグビー」とも言える「アルティメット」のワールドカップや、世界約40ヵ国に競技者を抱え「サッカー版のゴルフ」とも言える「フットゴルフ」等々、単に世界から選手、関係者が集い、数週間にわたり滞在する宿泊費だの経済効果だのと「算盤を弾くばかり」に囚われる事なく、スポーツを通じて本市へ訪れて頂く、その「キッカケづくり」を改めて、強くお願いする次第です。

では「スポーツ大会の開催支援」その執行額に話を戻しますが、アーバンスポーツの祭典「FISEひろしま大会」への予算額が「約5,300万円」と群を抜いておりますので、ここに改めてFISEにもスポットを当ててみるとして、本年は大会の開催が延期となり、今なおコロナ禍で再開の目途は立っていませんが、まずもってFISEは、いつまで開催する予定なのか。また本年までの広島大会開催にあたり、如何なる効果、収穫があったのか。お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

FISEの開催にあたりましては、主催者側が元々は「関東圏での開催」を目指していたところ、参加選手がピアスを付けたりタトゥーを入れているなど、競技に於いて“不良のイメージが先行”しては、全てのオファーが断られたところ、広島が二つ返事で「開催の快諾」をした、まさに多様なる人々を受け入れ、都市の存続へと架橋する「ダイバーシティマネージメント」を体現したのが、この広島でもあり、私も行く行くは「アーバンスポーツのメダリストが広島から続々と誕生する」未来を築きたく、今後も切に「FISEが広島の地に根付いて欲しい」と願っています。

そこへ重ね、スポーツをする、見る、支えるにしても、大事なのは「一過性の大きな花火」ではなく、市民の方々が主役となる「日常」であり、ここに好個の適例として「福山市」を取り上げては、皆様にご紹介させて頂きます。 

※パワーポイントで10数枚の写真を用いて福山市へ2020年3月に開業した「スケートボードパーク」を紹介
(建設費は市の単独費で約3,100万円、ネーミングライツを導入して年間100万円の維持管理費を捻出、利用者登録を行っての「無料使用」を選択・実施、県外から訪れる利用者も多く「エリア全体の賑わい創出」に寄与、等々)

ならばと、ここに伺いますが、本市はFISEひろしま大会で培った経験、並びに育んだ多くのファンを踏まえ、今後のスポーツ振興へ如何に生かして行くのか。ただいま私の申しました「スケートボードパーク建設へ向けた提言」への所感も併せて、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

広島市の都心部には、年間で約60日間しか稼働していないエリア、その名も「ファミリープール」が存在しますので、この辺りに是非ともスケートボードパークを併設して頂きたいところですが、話を続けます。

組織的、戦略的なスポーツ大会の誘致、スポーツツーリズムの展開、またスポーツ関連イベントの企画立案、実施など、国内のみならず、世界各地でも重要な役割を担っている一つに「スポーツコミッション」が挙げられ、私は平成30年12月議会の一般質問で「スポーツを通じての街づくり」を取り上げては、そこで「本市でもスポーツコミッションを立ち上げ、積極的にスポーツ大会の誘致に取り組んで欲しい」旨を述べ、市長からも前向きな答弁を頂戴いたしました。

一方、こうした「スポーツを通じての街づくり」に関連した話では、県が「スポーツを通じた地域活性化」を掲げ、この春に「スポーツアクティベーションひろしま」を立ち上げましたけども、ココには知らない方々もいらっしゃるでしょうから改めて、どう言った組織であり、どのような活動をされているのか。お教え下さい。

※行政側 答弁

アーバンスポーツの世界大会「FISEひろしま大会」などは最たるモノで、コレまでもコレからも、県と連携してスポーツ大会を誘致する機会たるや、決して少なくないと思われますが、今後「スポーツアクティベーションひろしまとの連携」や、他方でも「本市のスポーツコミッションの立ち上げ」を如何に考えているのか。本市のご所見をお聞かせ下さい。

※行政側 答弁

では、続いての決算審議として、令和元年度に於いては、特徴的となるタイムリーな取り組みに「東京オリンピック・パラリンピック等への対応」「2794万1千円」が挙げられますが、コチラは何に取り組まれ、また「五輪関連の事業を誘致」との点からも、本市として如何なる収穫があったのか。お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

諸外国の「選手団・関係者の誘致に取り組んだ」との事ですが、こうしたアプローチはオリンピックの開催にあたって「4年に1度のアクション」に留めておく必要は無く、新たな継続「目標」に設定すべきですし、他方、オリンピックのみならず、スポーツを多角的に捉えた上で、本市が新たに力を入れて展開すべき取り組みに「スポーツ医学・スポーツ科学の支援、研究」が挙げられるかと存じます。

私も現地を視察しましたが、あの国内トップアスリートが集う練習拠点、NTC(ナショナルトレーニングセンター)にせよ、整えられた練習環境にスポーツ医科学の施設が「併設されている」からこそ、競技力の向上へ多大に寄与している訳で、そこへ加え、国が指定する競技別強化拠点施設などは「西日本に少ない」との現状を鑑みても、今一度、スポーツ医科学の拡充を図りながら、競技別の強化拠点としても例えば「似島」など打ってつけのロケーションにありますし、広く国内の学校や団体(クラブ)に働き掛けては、キャンプ誘致にも率先して取り組むなど、あらゆる方面に、まだまだテコ入れが必要です。

また、五輪関連で続けますと、4年に1度の夏季五輪や2年に1度の冬季五輪以外にも五輪は存在し、顧みれば2012年3月に、国際陸上競技連盟のガブリエル事務総長が本市を訪れ、スポーツは若い人の平和や交流にも役立つ事から、14歳から18歳のアスリートが参加しては、4年毎に開かれている「ユース五輪」の広島開催を持ち掛けられた事も過去にありました。

結果的には、実現に至る事はありませんでしたが、過度な諸費用を投入せずとも、アジア大会を開催した実績ある本市の既存施設を活かしながら、そして何より、日々、スポーツ振興に取り組む行政職員さんにしても、モチベーションを保ち続けるのは難しく、こうした観点からも「目標」を新たに設定すべく、是非ともユース世代の広島五輪大会を開催して頂きたいと願うモノですが、本市のご所見をお聞かせ下さい。

※行政側 答弁

余談となれ、私がアメリカにいた1996年にアトランタでオリパラ(五輪)が開催されたのですが、その際、パラリンピックの広告に「What’s your excuse?」貴方の言い訳は何ですか?とのキャッチコピーが用いられ、私は非常に感銘を受けたモノです。

ユース五輪にせよ、世界の若者(アスリート)たちが、スポーツを通じて「広島へ訪れる」。

そこで、平和学習を含め“おもてなし”を受けるなど、諸外国の若者たちが数々の思い出を築かれた暁には、間違いなく母国へ帰った後、広島の魅力を発信してくれる「スポークスマン」に育ってくれると思われ、是非とも「ユース五輪・広島大会の実現」などを新たな目標に設定し、担当局としても携わる職員一同、皆様で夢を描き、共有した上で、前述した「言い訳を探す」にあらず「実現の為に手を尽くす」姿勢を念頭に、今後ともスポーツの振興に取り組んで頂く事を強く、強く要望して、私の質疑を以上とします。