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石橋りゅうじ 議会棟控室

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2018年3月 予算特別委員会 経済観光環境

それでは発言通告に従い、まずは新年度予算案に計上されている「平和記念公園レストハウス改修」計上額2億470万円について伺います。

そこで話の前段に、私は今日まで、平和記念公園で案内ガイドをされている通訳ガイドさんやボランティアガイドさん、バスガイドさん達と幾度も会合を持っては、また現地で勉強会なども行いながら被爆の継承や伝承を更に確立すべく、現場の声を伺って参りました。

そして幾つか現場から挙げられた懸案事項、諸課題をご紹介すると、「平和公園に訪れた人々の理解度を更に深められないか?」、「外国人に比べ日本人の滞在時間が短い」、「説明版や危険個所等、求められる改善事項」、「今一度、来訪者に必ずや平和公園内で足を運んで頂きたい場所への誘因策の確立」などがありました。

この辺りを踏まえながら質問させて頂きますが、まずは今回の「レストハウスの改修」について、その目的、並びに具体的な改修内容を教えて下さい。

※行政側 答弁

現存する数少ない被爆建物の一つであり、被爆当時の姿を再現すれば、更なるレストハウス機能の拡充、また地下部の保存も進めて行くとの事で、改めてご紹介させて頂くのは、ご存知の方々も多いかと思われますが、被爆当時にレストハウス内で「ただ一人の生存者となった当時47歳の野村英三さん」についてです。

野村さんは、燃料配給統制組合の職員さんで、原爆が投下された時は、偶然にも地下室へ書類を取りに降りては奇跡的に生き延びる事が出来たのですが、その時の模様が、広島市が発行する原爆戦災誌に掲載されているので、一部を抜粋、内容を読み上げさせて頂きます。

「ドーンという大きな音が聞こえた途端に電気が消え、階段の状態も無く、板切れや砂がゴチャゴチャに…」「柔らかい俵のようなモノが足下にあり、両手でそっと触ると、埋もれている人間と分かった」「出られない!気が付いた時には1階に立っており、外は真っ黒い煙で暗く、暫らくすると窓枠が燃え、周囲も火の手に包まれ…」と、戦災誌には当時の壮絶な実体験が綴られており、こうした事実を知った上で、実際にレストハウスの地下へ足を運んでみると、殆ど当時のままで残されている薄暗い地下室が、静かに、しかし饒舌に、私達へ多くを語り掛けて参ります。

ゆえに、冒頭で触れたガイドさん達は、案内をした外国人の方々が帰国された後、時にお礼のメールや手紙を頂戴する事もあるのですが、その中には「レストハウスの地下室が最もインパクトがあり、記憶に残っています」との感想、記述が一定数含まれているとの事でした。

こうした事実からも、レストハウスの環境を“より整える”この度の改修が重要である事は強調するまでなく、その地下室を見学する際は、まず1階のインフォメーションスタッフに見学したい旨を伝え、地下へ降りるドアの鍵を預かり、ヘルメットを着用後、はじめて見学が可能となっていました。

勿論、多くの人々が一度に入られない場所であれば、管理・警備の意味でも「鍵の受け渡し」については理解し得るのですが、私も過去に平和公園を訪れた友人知人を案内する際に、修学旅行等の繁忙期と申しましょうか、インフォメーションが混雑している時は、敢えて見学を自重する事もあり、そこで伺いますけども、この度の「地下部の保存・改修後」は、如何なる形式で地下室へ迎えるようになり、また利便性が向上するのか、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

繰り返しとなりますが、スムーズな地下へのアプローチ環境を整備して頂く事を強く要望し、話を続けるとして、現在、平和記念公園を訪れる人々の大半が、例えば外国人であればJR広島駅から歩いて、またバスや市電を利用しては、北側の旧広島市民球場側を入口に、公園内に入って来られる傾向があります。

そこで人々の順路を辿れば、まずは原爆ドームを見られた後、徐々に南下しては、元安橋を東から西側へ渡り、原爆の子の像をご覧になり、そこから更に南下しては平和記念碑へ、更に南端にある資料館へ向かわれると。

こうした傾向が顕著でもある折、一つは公園内の原爆ドーム周辺に「雨風が凌げ、かつ座れる場所が少ない」事と、繰り返しとなりますが、レストハウスが貴重な被爆建物であることを知らず、通過してしまう人々が相応にいらっしゃり、一息つくにも見学するにも情報を得るにも「レストハウスへの誘因」について更なる改善を図って行かなければならない要望が現場からも上げられています。

しかしながら、例えばバスガイドさんなどは、なるべくレストハウスへ向かい、そこに設置された説明版の前で、まつわる様々な話をされるのですが、この説明版にせよ、メイン通りから少し奥まった場所へ設置されており、しかも掲示されている「被爆前のレストハウス」の写真にせよ、現存するレストハウスとは、向き、方角に整合性が取れていない物になっていて、この辺りの改善要望も挙げられておりますので、これより3点ほど伺います。

まず平和記念公園内に設置された地図、各種のサインに明記された「レストハウス」の文言に「被爆建物」と追記して頂きたいとの要望が一つ。

次に「人々の往来するメイン通り側に説明版を移設して欲しい」要望が一つ。

しかし、そうなると大掛かりな作業になり、かつ滞留スペースの問題もありますので、難しいのであれば「簡素なサイン」でも構わないので、メイン通り側へ新設をお願いしたいと。

続いて、建物の写真については「整合性のある写真を用いて頂きたい」、以上3点の要望について、本市としては如何お考えでしょうか?

※行政側 答弁

これら全ては多大なる費用、労力を要しませんので、是非とも前向きな検討の上、実現へ向けて宜しくお願い致します。

つきましては「レストハウス改修のスケジュール」に目をやると、今年度まで実施設計等が行われるとの事でしたが、ならば具体的な絵姿は、いつぐらいを目途に発表されるのでしょうか?

もう一点、レストハウスへの訴求も含め、「被爆建物」との明記等々、訪れた人々へ「より分かり易いパンフレット」を作成される予定はないのか、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

次に、所管する担当課は違いますが「ビジターズ受入・環境づくり」との観点からも、一つ伺います。

先にも触れた通り、レストハウスの横には原爆の子の像があるのですが、その北西には原爆供養塔があり、こちらには約7万柱もの未だ引き取り手の無い身元不明の遺骨が納められています。

中には、遺骨のお名前が判明しているにも拘わらず、親族や近親者の元へ戻れない遺骨も数百柱あり、自らの生涯をかけて、供養塔の清掃や遺骨の引き取り手を探し続けて来られた佐伯敏子さんが昨年の10月に亡くなられたのは皆様もご承知かと存じますが、ガイドの方々は供養塔の前に訪れると、必ず立ち止まっては両手を合わせ、祈りを捧げられます。

言わずもがな、ガイドさんは毎日のように幾度も供養塔を訪れていらっしゃいますが、こうした行動は常に当たり前の所作として徹底、継続されており、その姿に私は非常に感銘を受けました。

一方、ガイドさんが南アフリカやケニアより訪れた人々へ向けて「我々の足下には未だ多くの人々や、かつての街が眠っている」との話をされると、その人々は「死者と話をする為に」と、裸足になられる事もあるそうです。

しかし、この神聖なる供養塔の前に広がる広場は「土のグランド状態」で、雨天や雨上がりにはドロドロにぬかるみ、都度、業者の方々が砂を撒くなど対応はしては、状態の酷い緊急時など、市の職員さんも現地へ飛び、砂を撒く作業に従事されているのですが、勿論、革靴で平和公園を訪れる人々も多く、この「ぬかるむ広場」の現況たるや、安らかに眠るご遺骨、来訪者、ガイドさん、市職員さんと、誰の為にもなっておりません。

今一度、「ビジターズ受入・環境づくり」の観点からも、こうした現状を担当課は如何に受け止めていらっしゃるのか、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

平和記念公園内なので、舗装するなど大々的な工事は難しく、また浅知恵で恐縮ですが、例えば砂利を敷き詰めるなど、何らかの手立てを打って頂くことを、ここに強く要望しておきます。

では続いて、魅力ある里山づくりに係る新規事業「小さな循環モデルの導入」予算計上額2,727万円について伺って参りますが、まずは事業の目的と具体的な内容について教えて下さい。

※行政側 答弁

高度経済成長期に植えられた木々が著しく増加しては、戦後最大の旺盛な森林状態を誇りながら、この伐期を迎えた木々が手つかずの状態である現在、地域内の未利用材を地域住民の方々が薪の加工場へ持ち込み、地域内のボイラー施設で消費する「小さな循環モデル事業」たるや、私などは非常に賛意を示すモノで、素晴らしい取組かと存じます。

しかしながら、木質バイオマスの推進や温室効果ガスの抑制などが叫ばれ、一昔前には、まるで雨後の竹の子のように全国へ誕生したバイオマス発電所や薪ボイラーの施設も、事業を継続するにあたって、持ち込まれる木材の枯渇により、次々と休止に追い込まれた現実もあり、必然的に供給する「薪の確保」、その体制づくりが大事になって参りますが、この辺りは現時点で如何に見込んでいるのか、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

次に「新規事業の小さな循環モデル」は、本市が取り組む「地球温暖化・エネルギー対策の推進」にも必ずや寄与するモノで、是非とも今後は「大きな循環モデル」へ拡大する必要性があるかと存じます。

例えば、広島県の産業別「域外収支」の実額に目をやっても、製造業の盛んな広島県では、域内で製造業に於いて多くの利益、利潤を得ている反面、化学製品や石油等のエネルギーを得る為に、域外へ多額のお金が流れ出ている状況にあり、これを世界情勢に照らし合わせても、一時は2000年代に入って、原油価格が1バレルあたり100ドル以上に高騰し続けた後、アラブの春やシェールガス革命等で原油価格が急落いたしました。

しかし、現在は再び、底値をついていた原油価格が上昇の一途を辿り始めており、今後も更なる高値を記録するであろうと政府も見込んでおります。

このような貿易収支の観点や、またエネルギーの安定供給、環境面への配慮も含め、国が掲げる「2030年の電源構成」では、バランスよく石炭、LNG、原子力、再エネでの発電量を確保すべく、エネルギーミックス、ベストミックスを一つの目標にしておりますが、この再エネ部分の内訳を見ても、まだまだ相当のテコ入れを施さなければならず、改めて、本市では国の掲げる方向性を如何に捉え、重ねて、本市としても先述の目標達成へ向けて、既に何に取り組み、今後は何に取り組んで行かなければならないと考えているのか、お聞かせ下さい。

※行政側 答弁

世界のエネルギートレンド、その趨勢に目を向ければ、スウェーデンは風力によりkWhあたりコストは6円、UAEは太陽光によりkWhあたり3円、しかし日本の場合は火力でkWhあたり14円も掛かっており、例えば中国では、国策で急速に太陽光発電へシフトしては、現在も既に300以上の太陽光発電所が稼働、一方の原子力発電所にせよ、この数年間での建設許可は一つも下りていません。

つまり世界では「環境面での再エネ選択」に留まらず、飛躍的に進むコスト低下に係る「市場の経済合理性から再エネを選択」する時代に突入しているのが現況です。

こうした激変する世界のエネルギー事情の中で、国もさる事ながら、まずは基礎自治体として市民の為に、更には地域経済を不活発に陥れない為にも、独自に「エネルギーの自給率」を最低限は確保、今後も高めて行かなければならないと存じます。

そんな折に吉報と申しましょうか、お隣の海田町では、昨年の10月に広島ガスと中国電力の共同出資でバイオマスパワーの会社を設立されてはバイオマス混焼発電所の建設を発表され、本市でも昨年の11月に東京の民間会社が西風新都内に、同じくバイオマス発電所の建設を発表、打ち出されるなど、まさに「小さな循環モデル」の拡大にも関係して来る、新たな動きが見てとれます。

そこで伺いますが、本市としても今後、この辺りの民間事業者と連携しては岡山県真庭市の事例のように、一般市民の方々が林地残材等をバイオマス発電所へ持ち込み、換金される仕組み、好循環を築いて行くべきと考えますが、如何でしょうか?

※行政側 答弁

例えば、定年を迎えられた方々に、新たな「森林整備」(バイオマスエネルギーの資源確保)との遣り甲斐をご提供できれば、その方々が、子どもやお孫さんと一緒に山へ入るなど、様々な良い副次効果も派生すると思われますので、是非とも官民連携で進めて頂く事を、ここに強く要望しておきます。

では続いて、かねてより私が一貫して訴えて参りました「航空レーザー測量」についてですが、2月下旬の新聞に「県が18年度よりレーザー測量で得られたデータを分析しては、所有者の高齢化などで放置されている民有林の適切な手入れ、また効率的な林業経営に活かして行く」との記事が掲載されておりました。

重ねて「県は各市町にも同データ分析結果を活かして貰うべく呼び掛けて行く方向」との事でしたので、まず伺いますが、本市としては現時点で、こちらの件に関して何か把握していらっしゃいますでしょうか?

※行政側 答弁

自伐林業の趣旨にもある通り、この分析結果を活用すれば、森林整備の発注にあたり、高精度でコスト安にも繋がれば、更なる路網の整備や境界線、所有者の明確化など、あらゆる面で有益であり、是非とも県と連携を図っては庁内でオープンデータ化し、各局で横断的に有効活用して頂きたいと考えますが、如何でしょうか。

※行政側 答弁

佐賀県などは、こうしたレーザー測量のデータ分析結果を十二分に森林整備に活かされておりますし、今一度、「緑のダム」の形成など災害に強い森林づくり、防災の観点からも、庁内でオープンデータ化しては、危機管理局や都市整備局ともデータを共有、役立てて頂く事を切に要望いたします。

それでは最後の質問項目となる「恵下埋立地」についてでありますが、こちらは現状や今後の展開なども先の本会議で取り上げられ、テクニカルな面でも数々の答弁が行政側よりなされておりますので、この辺りは割愛し、改めて「地域住民の方々との関係性」について伺いますけども、手前味噌で誠に恐縮ながら、私は数年前から幾度となく現地へ足を運んでは、地域住民の方々と対話を重ねて参りました。

そこで、恵下埋立地の建設にあたり住民の方々も「全面反対」ではなく、「農業振興地域とゴミの最終処分場が共存、共栄を果たす、市民が誇れるエリアにしたい」、「建設着工から供用開始、そこから未来へ向けてのプロセスを大事にしたい」、「連絡協議会等を設置しては行政と地域住民が定期的に対話する機会を持ち、丁寧な情報発信にも努めて欲しい」との要望等を述べられ、実際に行政の担当職員さんにせよ、休日にも拘わらずシンポジウムに参加して下さっては住民との関係構築に尽力されるなど、次第に「地域住民と行政の良好な関係性」が築かれ、私としも「ここまでの変化が訪れるものか」と感慨もひとしおでした。

しかしながら、その後、現場よりダイオキシンを含む廃タイヤの燃え殻が発見されれば、また鉛が検出されるなどの事例から、現在では確かに築かれていた住民と行政の良好な関係性の狭間に、不信感が芽生えている事実は否めません。

無論、地域住民の中には様々なスタンスの方々がいらっしゃいますので、全てを「否」と断じているのではありませんが、いずれにしましても改めて、地域住民の方々と行政が共に歩みを進めるべく、最大限の良好な関係性を再構築し、更には先にも触れました通り「農業振興地域とゴミの最終処分場が見事な共存を果たす」、そんなエリアを築いて行ければと切に願いますので、今一度ここに本市のご所見を伺います。

※行政側 答弁

今回のダイオキシンを含む廃タイヤの燃え殻の件や鉛の検出にせよ、ある程度の工事が完了した後では、対応も困難を極めるは当然で、何とか現在のタイミングで処理、改善策が打たれている事を私は前向きに捉えておりますし、とにかく地域住民の方々が不信、不安を頂いたまま、向こう何十年も日々の生活を送って欲しくありませんので、引き続き、地域住民の方々と「更なる関係性」を築くべく、我々議会も努めて参る所存であり、行政としても取り組んで頂く事を強く要望し、私の質問を以上といたします。