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石橋りゅうじ 議会棟控室

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2012年5月 都市活力向上対策特別委員会

路面電車・新路線「駅前大橋線」に関して、ご質問させて頂きます。

現在、平面? 地下? 高架?のいずれを選択?と取沙汰されていますが、問題は、もっと根本的な部分ではないでしょうか?

果たして広島市は、今後の「軌道式・交通体系」を、どうして行きたいのか? つまり、枝葉の部分ばかりを論じては、都市の「グランド・デザイン」が、一切、見えて来ません。

この駅前大橋線の話にしても、当初は、アストラムラインを、己斐を通し西広島駅へ、そこから、100m道路の地下を、地下鉄なり軌道式路線を東へ走らせ、平塚のあたりから、駅前大橋へ引っ張ってくるとの計画で、相生通りの路面電車を「駅前大橋から」との計画ではありませんでした。

また、稲荷町の電停から広島駅までの距離、800mある物を「200m」へ短縮し、重ねて、市中心部からの所要時間、15分程度、必要なモノを5分短縮する。

そうして、結果的に、どこを目指されているのでしょう?

あくまでも現段階での概算ですが、平面案を用いれば、事業費が「約30億円」地下案を用いれば、「約250億円」高架案を用いれば、「約70億円から100億円」が必要だと言われています。

今更、言及するまでもありませんが、広島市はデルタの街で、その脆弱な地盤に、あらゆる公共工事を進めるにあたっても、困難を極めて参りました。

田中町のトンネル工事、当初予算より、倍の工事費が掛かり、現在の駅前大橋の工事も同様で、結局は80億強から100億弱は掛かった。

シャレオだって、地盤の問題云々で、当初より、事業費が相当オーバーしており、話題を広げれば、あの比治山トンネルだって、岩盤だの何だので、当初の予定より、倍の工事費が注がれた歴史がある。

現在の駅前広場など、その脆弱な地盤に、大きな杭、柱もなく、いわゆる乗っけているだけ、「コンクリートの絨毯を敷いているだけ」と言っても過言ではありません。

そこへ、地下だの二階建て級の高架だの用いれば、グランド部分の加重計算も含め、「抜本的な地盤の強化」等々が必要なのは必至であり、これまで同様、「概算事業費の倍は建設費を要する」可能性なんて、十二分にはらんでいます。

一例を挙げれば、地下案を採用して、当初、250億の予定が、結果、400億円、500億円も必要となりました。それで、どれだけの経済効果があるのでしょうか? 人の流れ、街の構造が劇的に変わるわけではないのです。

しかも、大正時代から伸びている路線、その電停が存在し、的場町であり、猿候橋前の電停にせよ、そこに電停があるからこそ店舗を、住まいを構えている方々もいらっしゃる。

それでは、地元住民の声は、これまで聞かれたのでしょうか? また、地元とのコンセンサスなり保障は、どう考えているのでしょうか?(地元の声を代弁する南区の議員さんで、この計画に賛同されている方は、1人もいらっしゃらないのではないでしょうか?)

旧市民球場跡地しかり、西飛行場しかり、広大跡地しかり、「取り敢えず移転します」その後の用途決定なりケアは、後々考えますなど、時間の浪費もさる事ながら、市民の皆様へ、これだけ無責任な姿勢で対峙するのは如何なものかと感じられてしまいます。

しかも、市長は、時にアストラムラインの延伸計画なり、環状化なりをポツポツと口にされますけども、今後、アストラムの車両・老朽化、中央制御システムの改善、更新等で200億円は必要かも?と言われる中、かたや、地元民の反対をよそに、路面電車を5分短縮で数百億に、一方で、休眠状態だった「アストラムの延伸計画」を呼び起こして、数百億。

選択と集中を掲げながら、何でもかんでも手を伸ばさんとしており、言わずもがな、これから迎える人口減少社会において、市の収入も「現状維持すら」簡単な道程ではなく、不確定なモノへの「過剰投資」には成り得ないのでしょうか?

当然、全てを否定しているのではなく、だからこそ民間と協力しては、知恵を結集させ、資金を結集させては、これからの時代を、地域で一丸となって乗り切って行かなければならない。

返す返すも、そこへの第一歩となる「マスタープラン」が、広島市には欠落しており、これだけ内部に携わる私が分からないのですから、市民の皆様など、何万、何十万人単位で、市の方向性が分からない方々がいらっしゃるはずです。

今一度、問いますが、軌道式を含めた、市の交通体系を、どうしたいのか? ひいては、これは一例ですが、駅前の中央郵便局、あの場所と占有は適性なのか?

新たに軌道を設けるならば、同じ資金を注ぐならば、Bブロック・Cブロックとの開発とリンクさせては、マツダ・スタジアムの方へ伸ばしてみる事により、より街の利便性が向上しては、活性化へ繋がるのではないのか? 広島の玄関口を改めてデザインしては、それを市域全体と、如何に結ぶのか? 本来なら、ここまで描いては取り組まなければならないと考えますが、如何でしょうか? あまりにも「都市開発をピンポイントで捉え過ぎている」感は否めません。

取り敢えず、期間限定で試験的にやってみます。やはりダメだったので、引っ込めますの繰り返しで、何が前進するのか? 責任など、これまで誰も負ってはいないのです。

路面電車にアストラムライン、白島新駅も登場しては、そこで皆さん、自転車に乗りましょう! 根本部分で方向性に整合性が見られません。

いずれにせよ、これはあくまで私の推測ですが、今のままでは、議会すら通過しないと思われますので、各方面と連携しながら、まずは1日でも早く、最新のマスタープランを提示して頂ければと思います。