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2012年2月 議会 総括質問

これより会派を代表して総括質問をさせて頂きますので、しばしの間、ご清聴の程、宜しくお願い致します。

はじめに、松井市長が就任され、今日までの約10ヶ月間の「政治姿勢」を振り返り、質問させて頂きます。

そもそも、私が市議会議員に立候補させて頂いたキッカケは、愛する郷土、広島を「明るく元気にしたい」との熱意と、我々が次世代に「より良い広島を残して行きたい!」「このままでは、いけない!」との責任感からでありました。

勿論、これは広島を否定的に捉えているのではなく、広島が擁する都市機能や自然環境、そして何より、そこへ暮らす温かい人々と、素晴らしい面を挙げれば枚挙に暇がないポテンシャルの高い街であるにも拘らず、その現状はと申しますと、都市の交通網は何時まで経っても発展を見せず、かつては各企業のブランチ、つまり支店も多く、支店経済が街の活気の一翼を担う時期もありましたが、その支店も次々と他都市へ移転して行くと言う状況に置かれています。

補足までに、支店などに単身赴任でいらっしゃる方々は住民票を移さない方々も多い。つまり、表面上の数字以上に人々の往来が失われているのが実状で、こうした状況を「何とか打破したい」と強い思いを抱くのは、何も私だけではないと思われます。

事実、こうした時代背景の中、一筋の“希望の光”を見出すべく、人々は松井市長に今後の「街の舵取り」を託しました。

そして、3ヶ月が過ぎ、半年が経過して今日に至るのですが、その後、街の佇まいには、果たして、どの様な変化が見られたのか。

コレは全ての皆様に問い掛ける次第ですが、最近、「相生通り」を歩かれた事があるでしょうか?

ここは、百貨店が並ぶ八丁堀に、都市機能が集約する紙屋町、その中央に路面電車も走る、まさに「広島の顔」とも呼べる“広島市の中心”であり、目抜き通りです。

このエリアに於いては、間もなく、ある百貨店が撤退する事はご存知かと思われますけども、そこから西へ足を延ばせば、立町の電停前に、以前は映画館も備えた、大きな朝日会館ビルがありました。

しかし、現在は取り壊されて更地になり、近日中には、都心、ビジネス街の一角に、広大な駐車場がオープンする事になっております。

そこから更に、紙屋町の交差点方面へ足を延ばせば、ある保険会社の名前を持つビルが全て空室となり、夜間など、真っ暗なビルが街のド真ん中に“聳え立つ”状態。

そして、このメイン通りには、皆様もご存知の通り、沢山の銀行、保険会社などの支店、自社ビルが建ち並んでいるのですが、現在、いかなる状況が静かに水面下で進行しているのか?

去年の東日本大震災により、今後、幾つもの保険会社などでは新たなる請求、地震でダメージを受けた建物への保障など“多大なる保険金”を支払う時期が訪れて参ります。

こうした現実と直面するにあたり、各保険会社は、西日本での物件を売却しては、また次々とオフィスを統合すると言った具合、経営のスリム化を図り手元の現金を増やすべく奔走されている。

ゆえ、その波紋が、既に広島に及んでいる状態であり、広島の経済界に留まらず、急速に「広島の顔」が平面化しては、かつ、空洞化が進んでいるのが実状です。

つまり、「世界に誇れる広島の礎を築いて行く」と市長は口にされますが、築かれんとするスピード以上に崩壊は進んでおり、現在の広島市が「待ったナシ」の状況に置かれている事は言うまでもありません。

当然、市長の任期が始まり、この数ヶ月で全ての評価が下されるのは時期尚早でありますが、この度、ようやく松井市長の「オリジナル色」で彩られ、ビジョンが反映された「新年度・予算案」が上げられて参りましたので、幾つか言及させて頂きます。

まず、本日を迎えるまで、この定例会でもご答弁のありました通り、市長は、広島市域の発展が、県域や中四国の活性化に繋がるべく、ヒト、カネ、モノを流通させてはパイを広げ、波及効果を高めて行く。地域経済の持続的成長を目指し「投資をして行く」とのお話でした。

また、かねてから「選択と集中」を掲げられ、西風新都への企業誘致や観光客の獲得にも動き、必要な部分には十分に予算を注いで行くと。

言われる通り、厳しい財政状況にありながら、打つべき時、打つべき箇所には打って出なければ、誰もが懸念される通り、今後、生産年齢人口が減少しては社会保障費の増加も見込まれる折、発展はおろか、現状維持すら困難を極めてしまいます。

こうした崖っぷちの状況で、市長は「今回、何に取り組んだのか?」

いかなる世界に於いても、礎たる“基礎を構築する作業”に派手さは伴いませんが、それが「全てのエクスキューズ」になってはいないでしょうか? 要は「礎の築き方」です。

幾つか提言するならば、それこそ住民の反対などもあり、現在は中断している「観音・高架」にしても、新たに動けば、再度、確実に壁へぶつかるでしょう。

しかし、そこで尻込みするのではなく、都市の大動脈を築いて行く上で、今一度、「検討の余地があるのではないか?」「まずは、新年度予算に調査費を盛り込み、改めて住民とも協議」「行く行くは国をも動かす予算への礎にし絶対に交通網を整備する」これだけでも、周囲へ色んなメッセージが発せられるアクションであり、スピード感はありませんが、未来には、柱を乗せ、梁を掛け、壁を張り、屋根を置く為、最初の礎を築く、大事な作業と成りえます。

冒頭の、広島の顔とも言える、都心部のケースでも同様、広島らしさが失われつつある「待ったナシ」の状態に平行し、シャレオや高速交通は債務超過に陥っている状態で、このアストラムラインなど、今後「中央制御システムの改修」と「全車両の更新」に要する費用として総額「約200億円」が見込まれている。

「賑わいの創出」の前に「広島の救出」の意味でも、旧広島市民球場跡地の活用法など、市長が口にされる通り、街の未来を占う「大事な案件」と言っても過言ではなく…

「もしも、私が判断を下す」のであれば、25年度の予算には、次へのステップとなる予算を盛り込みたいので「活用法を24年度末までには決定したい」なんて悠長な事は申しません。

また、今後は老朽化した「橋梁の架け替え」に、昭和30年代、40年代に建てられた市営住宅は“総数の半分以上”を占め、次々と耐用年数を向かえて来る。

私達は、安易に「将来的な負担」を増やすのは避けるべきですが、しかし、今の私達が汗をかかなければ、その将来すら危ぶまれるのが実情です。

市長が言われる通り、本気で「地域経済の“持続的成長”を目指し投資をして行く」のであれば、新年度予算案時点での臨財債を除いたプライマリー・バランスも、あれだけ黒字化した結果にはなっていないと思われますが如何でしょうか? 正直な話、私には、「消極的な行財政運営」に感じてなりません。

勿論、広島市が、まだまだ柔軟性に富んだ「財政構造」を持ち合わせている訳ではありませんので、堅実、着実は大事ながら、人間の「ストレッチ運動」と同様で、固まった体を動かして行かなければ、結果、より固まって行くだけであり、松井市長の「手腕」が広島市の未来を左右する事は、ここに言及するまでもありません。

後々、スムーズに施策を運ばせる為、しっかりと礎を築かれるのは分かりますが、今一度、申し上げるに、築く以上に急速に地盤沈下が進んでいる事が1つ。

そして、何も「劇場型に走るべき」なんて申しませんが、敢えて“市民に伝わり易いビジョン”も幾つか示し、人々の心に夢や希望を運び、街の雰囲気を明るく変えて行く。

これも重要な「景気の回復」であり、ここを演出するのは“トップの責務”と言えるのではないでしょうか。

夢の無い大人が、夢のある街など造れるはずもありません。是非とも、市民の皆様へ夢と希望を発信して頂ければ幸いであり、そこで、お伺い致します。

市長は、自らの「ここまでの政治姿勢」を振り返り、如何なる自己評価を下しているのか? お聞かせ下さい。

それでは次に、広島市職員の「海外研修」についてお伺い致します。日本全国が出口の見えない「閉塞感」に包まれる中、この広島市も例外ではありません。

税収が伸び悩む一方、社会保障費の増加などで、このまま行けば、平成24年度からの向こう4年間で「総額582億円」の収支不足が生じる見通しが、先般、広島市より明らかにされました。

ゆえに、この度、来年度予算を編成するにあたっても、本市は全ての事務・事業を見直し、未利用地の売却などにも取り組んでは収支不足の解消に努めております。

また、これまでの経済局に、都市活性化局の観光部門などを統合し、「経済観光局」として再編を図るなど「活力に溢れる産業の育成と賑わいのある街づくり」を進める為、組織、及び職員配置の見直しが行なわれる。

そこで感じるのですが、現状の見直しを行い、外貨の獲得も含め、歳入を増やす努力をしては「世界に誇れる街」を目指すと言いますが、では、行政の最も「見直すべきモノ」とは何なのでしょうか?

それは間違いなく、市の職員が「力を発揮できない環境」であり、まずは「現場力を高める事が必要である」と考えます。

私など、そこへ住む人々の笑顔が溢れれば、結果的に「世界に誇れる街がついて来る」と考える人間ですが、ならば最たる「広島の宝」とは何か?

これこそは、そこへ住む人々のバイタリティと申しますか、やはり「人」、「人材」こそが宝です!

例えば、良くも悪くも話題を呼んでいる大阪の橋下市長は、4年前の府知事へ就任時など治安の悪化、違法駐車等のモラルの低下、ひいては経済の動向、云々、全ての根源は「人」であり、人を育てる「教育にある」と、経済格差が教育格差を生まぬよう、1番に「教育環境の整備」に取り組まれました。

血の通う温かい街の原点は、人と人が連携をして、街をつくり、育んで行く事であり、先行き不透明な未来を憂うのであれば、これからの未来を担う「人材」を、「広島」と言う地域を上げて、みんなで育てて行くべきです。

そこで、過去に存在した制度を振り返って参りますが、本市では以前、「短期・海外派遣・研修」との名目で、職員が自ら課題を設定、その調査・研究の為に、諸外国を約2週間の期限を設けては訪問し、都市づくりや文化、市民生活を学んでは「国際的な視野の拡大」と「企画力の向上」を図る制度が存在しました。

これには、職員、自らが企画書を作成してはプレゼンを行い、審査、面接、決定が下される「公募制」と、勤務成績が優秀であり、かつ積極性のある職員が人選され、海外へ派遣される「指名制」の二通りがあり。

公募制は昭和54年からスタートし、この制度が廃止される平成10年までの20年間、年平均で8人、トータルで「163人」が!

指名制では、昭和44年のスタート時から、年平均で8,5人、同様に廃止される平成10年までの30年間で、トータル「255人」が海外へ派遣され、見聞を広めては貴重な経験を積まれております。

現在も「独自プログラムによる派遣研修」などで、年間に3人が海外研修へ派遣されておりますが、職員「1万2千人」の内、年間で僅か「3名のみ」です。

先ほどの、職員・海外派遣制度が廃止された理由は、時代の流れであり「経費の削減・抑制」ですが、未来を見据えるのではなく、一人当たりの諸費用70万円から90万円との「目先の費用」を削る事により、グローバルな視点で物事を俯瞰できる「人材の育成」と言う、いわば「街の財産を創出する機会」を広島市は今日まで失って来たのではないでしょうか?

手前味噌の話で恐縮ながら、私もアメリカ・カナダにて、1年間「ラジオのDJを務める」など、向こうで働いておりましたが、世界の人々と交流し、異文化に触れ、感じた経験により「コミュニケーション能力」が培われては、何より「このまま、井の中の蛙ではイケナイ!」との危機感と、更に、自らで研鑽を積んでは「より広い世界で羽ばたきたい」との向上心が生まれ、それが血肉となり「現在の自分を形成している」と言っても過言ではありません。

インターネットを閲覧し、「視覚」のみで分かった気になるのではなく、現地に足を運んでは五感で異文化を感じ、率先してカルチャーショックを「心へダイレクトに」受けるべきでしょう。

「海」の内だの外だと杓子定規で捉えたところで、渡航費を含め、経費など国内研修と大きな開きはありませんし、「他都市では海外研修を廃止している」、どうこう言ったって他都市に左右されてどうするのでしょうか?

我々は「国際平和文化都市」を目指しているのです!

因みに、私も先だって特別委員会で北海道へ視察に参りましたが、北海道の人口が平成21年度末で「約552万人」で、例えば海外のデンマークは、平成22年の数字で人口が「約544万人」と、人口は両都市“ほぼ同じ”でありながら、北海道は道内の総生産が、平成21年度「18兆528億円」。一方のデンマークは、平成22年「約27兆2732億円」。

また、一人当たりでは、単純計算で北海道が「約326万円」で、デンマークが「約493万円」なのです。

しかも、一般会計の「約34%」を国庫支出金など、言わゆる「中央政府からの援助」に依存している北海道に対し、デンマークは、国家的な福祉事業に安全保障まで、全て自らでまかなう独立国。

何より、先頃のブータンでも話題になったGNH「国民総・幸福量」において(これは全世界の8万人からデータをとったモノですが)デンマークは世界で1位! 日本は90位です。

刺激を受け、様々な街のシステムを学び、それを今後に活かすなら、貴方は「どちらの都市へ出向きたい」と考えるでしょうか?

安直に言えずとも、海外居住の経験者として自信を持って言える事は、若い職員をはじめ、多くの方々を“絶対に”海外へ派遣するべきであり、いかなる時代も、「人」へ注ぐお金、これは未来への「投資」と考えるべきです。

「海外へ派遣しても、それが地元へ還元されない?」との論調もあり、確かにコレは即効性が無いかもしれませんが、長期的には、有形・無形にて必ず“地元の利益に繋がるモノである”と確信しており、制度の問題ではありません。そこで質問させて頂きます。

こんなご時世だからこそ、10年、20年先を見据え、「職員・海外派遣・制度」を復活させ、世界のあらゆる都市から広島へ来客があろうと、堂々と、おもてなしの出来る、また、ダイナミックな発想を持ち合わせては企画力に富み、ある種、スペシャリストとも呼べる職員を育成すべきと考えます。

重ねて、例えば職員が東京へ出張する際も、現在は経費削減で極力“日帰り”となっておりますが、逆に、あれだけ優秀なる人々が集まり、刺激ある、世界でも稀な都市「東京」で、人々と、ゆっくり交流する事なく、次々と変貌を遂げる首都圏を視察する事もなく、日帰りで夜遅く、22時、23時に広島へ帰って来る。これほど非効率な話はありません。

本来、市長も、議員も、職員も、是々非々で丁々発止やりあいながら、その着地点は「市民の為」であり、ここに同じ目標を共有する者として、職員を「人材」と捉え、育成するべく、「海外派遣制度の復活」と「出張時などの環境改善」を提言させて頂きますが如何でしょうか? 考えをお聞かせ下さい。

次に、広島市とは、世界の恒久平和と核兵器の廃絶を目指し、先頭に立って希求、取り組む都市であり、この度も、数々の予算が、平和施策に盛り込まれておりますが、この中でも重要な役割を担う、「平和記念資料館・再整備事業」について、お伺い致します。

まず、コチラの事業は、開館から56年が経過して老朽化した建物の改修を行なうと共に、被爆の実相を、より分かり易く来館者へ伝える為、常設展示の全面的な更新を行なうモノであります。

整備事業の当初スケジュールは、平成22年度から建物の基本設計、内部改修の基本設計などを開始した後に着工。各所の工事を行なっては、平成29年度に完成を目指すと言う、約7年の歳月と、概算で、施設整備費31億8千万円、展示整備費、14億9千万円、併せて「46億7千万円」の大事業です。

補足として、事業開始が1年ずれこんで、平成23年度、開始。また、施設整備の一部は国からの助成で賄われる予定ですが、それでも「本市の持ち出し分」があり、多大なる税金が注がれる可能性は存在します。

そこで、事業を推し進めるにあたり、平和記念資料館の本館部分は、平成18年に国の重要文化財に指定されている為、“取っ掛かり”となる「施設整備」の設計・業務発注は、文化庁の公益財団法人「文化財建造物保存技術協会」と随意契約を結ぶ事となりました。

次に、昨年度から始まった「展示整備」に関する基本設計については、プロポーザル方式の入札が行なわれ、東京の設計会社が落札されましたが、入札会社は東京の1社のみで、入札に「東京の1社しか手を上げない」こうした入札法、そのプロセスは、今後、改善が必要かと思われます。

そして、新年度も「平和記念資料館の再整備事業」や展示の整備・実施設計などに5,250万6千円、施設の整備・実施設計などは、昨年度の倍、1億859万8千円、合計で「1億6,110万4千円」が予算案に上げられており、ここまでを踏まえ、改めて様々な事を熟慮、改善しなければならないと考えます。

まず、地域経済の活性、地元事業者の育成を図る観点からも、先だって、広島市の入札・契約制度が見直された例などは好例で、平和記念資料館の改修事業となれば、熟練された技術と専門的な知識が求められるのは必須ながら、広島が有する世界でも貴重なる文化財の改修だからこそ、地元広島の業者に事業を発注しては経験を積ませ「この広島で事業者を育てて行かなければならない」のではないでしょうか?

また、平和記念資料館が抱える昨今の問題として、観覧に際し、東館から入場された来館者が、そこで時間を取られてしまい、本来、最も目を向けて頂きたい「原爆被害が展示されている本館部分」の見学が“なおざり”となっては、修学旅行生など時間制限もあり、本館を足早に通過する事態が起きていました。

今回の改修も、被爆の実相を「より伝える」意味があり、来館者が東館から入場後、まずは速やかに本館へ進んで貰うべく、東館内に「1階から3階まで登るエスカレーター」が設置される予定で、そこへ向け、3階に設けられた平和文化センターの事務所は地下へと移動、新たな事務所の整備が必要となるなど、現段階でトータル「46億7千万円」もの費用が求められる根本の理由は、いくら耐震補強を加味しても、この辺りにあると思われます。

私も、広島でアナウンサーを務め、平和を発信するにあたり記憶が色あせぬよう、長年にわたり、年に複数回は平和記念資料館を訪れ、その内部や、他ならぬ「存在意義」を十分に理解しているつもりですから、何も平和の発信、歴史の継承にあたり、無条件に「経費を削るべき」と申しているのではありません。

必要とあれば、より注ぐ必要だってあるでしょう。申し上げたいのは、街のトップも代わり、方針も変わって行く。

まずは、「それが全て適正なる価格(経費)なのか?」並びに「限られた予算」との制限があるからこそ、そこから創意・工夫が生まれるわけで、また、展示に凝れば凝るほどに“リアリティが失われる”可能性もはらんでおり、展示内容にしても、今一度、精査、検討する必要性があるのではないでしょうか?

確かに、バリア・フリーは求められますが、平和記念資料館にはエレベーターが設置されており、導線の簡素化を含め、新たに「エスカレーターを設置する」との計画とは別に、足で歩き、その間に一つでも多くの展示品と触れ合っては、自らの呼吸と共に「身を持って資料館を体感するのも平和」との選択肢も必要かと思われます。

基本コンセプトを外さなければ、過度に全てが計算され、洗練されていなくとも“心の伝わる展示”で良いのではないでしょうか?

市長が率先しては“旗振り役”となり、そこへシフトするのも、松井カラーが生み出す「新たな平和推進」と考えます。

そこで伺いますが、平和記念資料館の再整備には「約46億7千万円」と膨大な経費が見込まれていますが、エスカレーターの導入をはじめとした来館者の導線プラン、整備内容、展示内容、概算の事業費は「適切である」と考えるのか? お聞かせ下さい。

また、平和の分野では“高度な専門性”を有するがゆえ、この地元広島で事業者の育成を図る事が必要であると考えますが、如何でしょうか? 今後の方針を、お聞かせ下さい。

では続いて「旧広島市民球場跡地の活用」について、お伺い致します。

同球場跡地の活用については、平成17年度から、より一層「都心の賑わい」を生み出すべく検討が行われており、これまでの利用計画を見直し、新たな活用法を策定する為、各界、各層から意見を聴く「検討委員会」が去年より設置されました。

この委員会は、発足から、大小で計3回、開催されており、都心の現状、課題の認識、検討条件の確認と言った「球場跡地に関する課題などの共有化」と、各委員からの「跡地活用にあたるアイデア出し」が行われて今日を迎えております。

その中で、旧広島市民球場跡地に掛かる「現行の制約条件」として、1つ「都市公園法に関する条件」1つ「景観に関する条件」1つ「国有地に関する条件」1つ「文化財保護に関する条件」と4つの制約がある旨も、この委員会内では説明がなされておりますが、ここから先は「財政上」で大きく分けて2つの選択があり、今後、委員会、関係各位は考慮する必要があると考えます。

まず1つ目は、「中期財政収支見通し」などからも明らかな様に、本市の財政状況は厳しい状況が見込まれているので、ある程度、「財政上の制約がある事」を改めて皆様で認識、共有した上で、今後、活用方策の検討に当たって頂く必要があり、この点について、跡地検討委員会では、どのような説明を行ったのでしょうか?

また、説明していないとすれば、どの様に、お考えでしょうか? お聞かせ下さい。

そして2つ目は、旧広島市民球場は、1957年に、カープの本拠地・広島総合球場には照明灯がなく、観客の収容能力が少ない事から、地元財界などからの寄付金を元に建設、完成したモノで、こう言った具合に“民間と連携する道”を選ぶならば、如何にイニシャル・コスト、ランニング・コストを「捻出して行くか?」についてであり、ここも今後は検討が必要かと思われます。

ここで、先日の三宅議員と同様、私も「アイデア」として私見を述べさせて頂くならば、協力を申し出て下さる市民の皆様、また民間企業が連携しては建設や運営にも税金を注ぐ事のない「多目的・複合スタジアムの誕生」です。

新しい広島市民球場を建設する際は、市民の皆様にご協力をお願いするべく「ミニ公募債」を発行し、その申し込み額は「約66億円」にも上りました。

また、私募債もありますし、いずれにせよ直ぐに債権者へ利益の配当は出来ないかもしれませんが、その代わり、年間指定席を“優先的に押さえられる”インセンティブを設けるなども1つの手法。

他に、公共が発注者となり、SPCが発注の代理人となるスキームを設けて、また、改正されたPFI法を用いてはライフ・サイクル・コストの縮減を図る等々、 とにかく明確な目標が決まれば、あらゆる手法を模索した後、実現する事は充分に可能と考えます。

この手の話をすると、条件反射的に「公共事業」、箱モノ建設と捉えられる方々もいらっしゃいますが、基本コンセプトは、確実なる街の賑わい創出、観光客の誘致、そして市民の皆様が活力を得られる「公共サービスの提供」に他なりません。

いずれにせよ、これだけ都心部では急速に空洞化が進んでいる中、「出来ない理由を探す」のではなく、広島を救う為に「出来る可能性を探るべき」ではないでしょうか!

補足までに、私が住んでいたカナダのトロントでは、あの福岡ドームも建設時に参考とした、アメリカ・メジャーリーグ、トロント・ブルージェイズのスタジアムが繁華街に位置し、そこから徒歩で直ぐの場所には、夜景も綺麗に見渡せる、高さ553メートルの「CNタワー」もあり、常に世界からの観光客で賑わっておりました。

ここで、私と三宅議員の共存が約束されたわけですが、絵空事と思われようが、この広島に於いて本当に夢のある話だとは思われないでしょうか?

幼少の頃、親に連れられ八丁堀へ、紙屋町へ出向いたならば、交差点には沢山の人々が往来し、そこには活気があり、希望があり、子供心に、それはワクワクしたモノです。

こんな時代だからこそ、子供のみならず「大人までもワクワクする広島市」を、改めてココにいらっしゃる皆様と共に築いて参りたい所存であります!

私の総括質問は以上とさせて頂きます。ご清聴、誠に有り難うございました。