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森−木=林

前号でも触れました、豪雨災害についての追記をさせて頂くとします。

今一度、3年前の8.20の発災より今日までを振り返れば。

各所に緊急事業で砂防ダムが設けられ、自助に共助の確立とも言うべく。

地域の人々が連携を図り「災害対策」へ向けて、更なる拡充が図られており。

災害の教訓を未来へ活かす取組が、地道に、かつ確実に進んではいます。

しかしながら「地球上に100%安全な場所は無い」通り。

こと広島に関して言えば、全国で「最も急傾斜地の多い」エリアでもあって。

引き続き、危険要因を一つ一つ改善して行かなければなりません。

こうした観点から申せば、今月16日の話になりますが。

安佐北区の被災地で、消防と警察が合同で土石流を想定した訓練を行い。

その模様がテレビで報じられておりましたけども。

数分間に亘り流されるニュース映像の中、私が最も目を向けてしまうのは?

統率された隊員の訓練の模様や、完成しては映り込む砂防ダム、とは別に。

あの時、豪雨により流出した土砂や木々の傷跡、その周囲に現存する…

典型的な「線香林」でありました。

(画像:NHKのニュースより)

かねてから幾度も申し上げている通り、人々の手入れが行き届いた森林は。

下部の写真の通り、明るく、日差しが地表まで差し込む、いわゆる健康体。

空からの降雨は、程よく地表へ旺盛に茂る下草がクッションとなりて。

土砂の流出を防ぎ、個々の木々も栄養分を適度に分かち合い。

幹も太く、シッカリと地面に根を張り、横へも伸びて、地表を握りしめている。

しかし、放置林の場合、お隣の木々とひしめき合い、栄養分を奪い合い。

幹は細く、陽の当たらない枝は枯れ、それでも何とか太陽を浴びようと…

言ってみれば、狭い部屋に押し込められた人々が「バンザイ」をしては。

両手を空へかざし「わずかな日光を掴もう」と、もがいている状態で。

ゆえに、木々の先端に、かろうじて残る枝葉が、チョロチョロっと茂る…

そう。まるで。お線香の様な「線香林」になっていると。

しかも、光の届かぬ地表に草花の植生は見られず。

雨水はダイレクトに地表に落ち、流れ出る際に砂を運び、木々は根を晒す。

(安佐南区の線香林)

確かに“局所的で記録的な豪雨”ともなれば。

「表層」のみならず「深層」崩壊を起こし、根こそぎ地盤をさらって行くので。

そこまでの雨量の前には…

「いくら森林を整備しても無抵抗でしょ?」なんて意見もあれど。

果たして、そうなのでしょうか?

「雨による土砂災害」は…

雨の日以外の「平素の森のコンディション」にも起因する。

現状をつぶさに検証すれば「たまたまココのエリアには豪雨が降らなかった」と。

無事たるや「たまたま」の連続であり“崩壊予備軍”のエリアは各所に存在します。

そこかしこに線香林が見られる国内で、今後も飛躍的に整備が進められ…

“一足飛びに現状が改善される”話ではございませんけども。

「原生林」にあらず、人が手を付け、介入した「こその人工林」を。

現世、後世の為にも、途中で放り出して「未整備のまま」ではなりません。ハイ。

重ねて“都市の温度調節機能”まで果たし、鳥獣の寝床となりて、山の恵も提供。

更に、水源から川下の海にまで関与する森林の存在は?

今後も急速に人口が減少して行く国内の「エネルギー政策」に関わって参ります。

「明日にも自然エネルギー、再生可能エネルギーでのベストミックスを!」

とまで言わずとも、全てのツケを後世に払わせるのでなく。

パラダイムシフトとも呼べる…

ある程度のエネルギー政策の転換は、早急に図るべきであって。

皆で、目の前の森に着手しなければなりません。

母なる自然との、共存、共生へ向けて、森林破壊でなく、創出への。

Kick off ならぬ Cut ott(整備)を、今こそ。

投稿日 : 2017年8月21日
森−木=林

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